今回のお話は『ごめんね でてこい』。
2024年夏の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書になっています。
本当は大好きなおばあちゃんに「きらい」と言ってしまい、なかなか「ごめんね。」と謝れないでいる女の子、はなちゃんの気持ちを描いたストーリーです。
おばあちゃんは家の工事をする間、はなちゃんの家で一緒に暮らすことになりました。
おばあちゃんが大好きなはなちゃんは嬉しくてたまりません。
しかし、しばらくすると気になることが出てきます。
ごはんが魚や煮物だったり、宿題をすぐにやるように言われたり、暗い所で本を読まないように言われたりして、はなちゃんは少しモヤモヤします。
そしてある日、友達のゆうちゃんにおばあちゃんが「きちんとあいさつするんだよ。」と言ってことで、ゆうちゃんから「もうはなちゃんの家には行けない。」と言われてしまいます。このことではなちゃんは我慢できなくなり、「おばあちゃんきらい。」と言ってしまうのです。
それからずっとおばあちゃんに「ごめんね。」と言えずにいると、おばあちゃんが入院してしまいます。それでもなかなかお見舞いに行けないでいるはなちゃん。でもお母さんに「おばあちゃんははなの気持ちわかっているよ。」と言ってもらって、勇気を出してお見舞いに行きます。そしてきちんと「ごめんね。」と伝えられました。
おばあちゃんと抱きしめあって、おばあちゃんの優しさと愛情をしっかりい受け取ったはなちゃんです。
うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
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読書感想文『ごめんね でてこい』
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はなちゃんはおばあちゃんに「きらい」と言ってしまって、あやまりたいのになかなか「ごめんね。」がでてこなくて、ずっともやもやしていました。
わたしもこういうことがあります。
たとえばお母さんに「しゅくだいしなさい。」ってなんかいも言われて、「もう、うるさい!」って言いかえしてしまったりします。
さっさとやらないわたしがわるいんだけど、「なんかいも言わなくてもわかってるよ。」っておもってしまって、ついはんこうしてしまいます。
学校でともだちとけんかしたときもそうです。
アニメのどのキャラクターがすきかで言いあいになってしまいました。
すきなものはみんなそれぞれってわかっているのに、じぶんがすきなものをきらいって言われて、すごくいやなきもちになってしまいました。
その時はつぎの日に「ごめんね。」って言えたけど、言えるまでずっとおちこんでいました。
はなちゃんのおばあちゃんは、はなちゃんにきらいって言われてすごくかなしくてさみしかったとおもいます。
大すきでとてもだいじにおもっているはなちゃんからきらいなんて言われたら、ほんとうにショックだったとおもいます。
それでもはなちゃんにおこったりしないで、ねるへやをかえたりして、はなちゃんのきもちをかんがえてくれていました。
はなちゃんのともだちのゆうちゃんがあそびにきたときに、おばあちゃんがやいてくれたホットケーキはとてもおいしそうです。
あんなおいしそうなものをつくってくれるんだから、おばあちゃんはゆうちゃんのこともとてもだいじにおもっていたんだとおもいます。
やさしいきもちとだいじにするきもちがないと、あんなすてきなおやつはでてこないとおもいます。
はなちゃんはおばあちゃんになかなかあやまれなかったけど、えらいなとおもうところもあります。
まず、おばあちゃんが言っていることが正しいってわかっているところです。
くらいへやで本を読むと目がわるくなるとか、よそのおうちに行ったらきちんとあいさつしなさいとか、おばあちゃんはあたりまえのことを言っているだけです。
花菜ちゃんもそれは分かっているけど、そのときのじぶんのきもちもいろいろあるから、それをわかってほしかったんだろうなとおもいます。
それと、おばあちゃんがじぶんをとてもだいじにしてくれていることに気づいたことです。
クッキーをやいてくれたり、ねるときになんかいもふとんをかけてくれたり、おばあちゃんはいつもはなちゃんのことをおもってくれていました。
それときちんとおみまいに行って「ごめんね。」と言えたことです。
とてもゆうきがいったとおもいます。「ごめんね。」って言わないでただおみまいだけすることもできるのに、ちゃんとじぶんから言えてえらいなとおもいました。
さいごにはなちゃんをだきよせたおばあちゃんは「いいよ。」とは言っていないけど、はなちゃんにはおばあちゃんのきもちがしっかりつたわったとおもいます。
ちかくにいるたいせつな人には「ごめんね。」って言いにくいし、じかんがたつともっと言いにくくなるけど、やっぱりきちんと「ごめんね。」や「ありがとう。」はつたえていこうとおもいました。
『ごめんね でてこい』で伝えたいこと
大切な人や身近な人には自分の気持ちをきちんと言葉で伝えよう
いつも近くにいる人に対して、あらためて自分の気持ちを伝えようと思っても、気恥ずかしかったり素直になれなかったりしてなかなかきちんと言葉で伝えることができないものですね。
ましてそれが自分が悪くて相手に謝らなければならない場合はなおさらです。
家族だからほっといてもそのうち元のように話せるようになるとか、言わなくても分かってくれると思いがちです。
実際そうなのだとは思うし、家族にあまりにも気を遣うこともないかなとも思います。
でも、大切な人が近くにいてくれることは当たり前のことではないのかもしれません。
自分を大切に思ってくれる人に感謝し、あえてきちんと言葉で自分の気持ちを伝えましょう。
「ごめんね。」を言えなかったとしても「ありがとう。」なら言えそうな気がしませんか。
親や祖父母が口うるさいのは子どもを大切に思っている証拠
親や祖父母は無条件で子どものことを愛しています。多くの親たちはただ子どもが元気でいてくれたら十分だと思っています。そう、何も特別なことをしなくても、ただ存在していてくれたらもう十分なのです。
それはそうなのだけれど、大人になった時に苦労しないように、幸せな将来を歩めるように、より良い方向へと向けてあげたいという気持ちも強く持っています。だからついつい余計なことを言ってしまうのです。
謝れなくても大丈夫 大人もみんな通ってきた道
いつも文句を言われていたら、素直になれなかったり反抗的になってしまうのも無理はありません。家族とは毎日顔を合わせるので「あー、もううるさい!」と親や祖父母に強い言葉を言ってしまうこともあります。
自分にも悪い所があったと分かっていながらも、なかなか謝ることができないものかもしれません。日々成長を続ける子どもたちの心は複雑で繊細でちょっと頑固。
家族同士でもきちんと言葉に出して謝ることができればいいのですが、たとえできなくても大丈夫です。なぜなら大人はみんなそういう気持ちを経験してきているから。昔の自分だから。心配しなくてもちゃんと分かってくれています。
あの~、たまには
僕にもあやまって…。
「ごめんね。」と謝れないのも成長の一つ
「ごめんね。」とすぐに謝れないのはその子の成長の一面かもしれません。
その子の中にいろんな感情が生まれていて、いろんな人との関係性も生まれているからこそ、こちらがすぐに折れるわけにいかないという状況になるからです。
わたしにもこういう理由や考えがある。おばあちゃんも好きだけど友達も大好き。自分の考えや優先したいことが少しずつ明確になるにつれ、自分を認めてほしいという気持ちも大きくなり、謝ることに抵抗を覚える時期かもしれません。その子の心が大きく成長をしている証と言えるのではないでしょうか。
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今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200字)
このお話の登場人物はみんなとても優しいです。
おばあちゃんにひどいことを言ってしまったと思い詰めるはなちゃん。
はなちゃんにずっと寄り添って、ひどいことを言われても怒らないおばあちゃん。
「おばあちゃんははなの気持ち分かってくれているよ。」と声をかけるお母さん。
椅子に座るようにそっと促すお父さん。おばあちゃんにお礼を言いたいという友達のゆうちゃん。
そんな優しい人たちに囲まれているから、はなちゃんもこんなに優しく思いやりのある女の子に成長したのでしょうね。
「ごめんなさい。」って言いにくいことありますよね。
仕事でミスをしてしまった時や先生に怒られた時などはわりとすぐに「すみません。」と言えるのですが、家族など身近な人に対してはそうはいかないことも多いです。
意地を張ってしまったり、気恥ずかしかったり、素直になれなかったり。時間がたつとさらにタイミングが分からなくなってしまって、なおさら謝りづらくなり、言葉にできずにそのままうやむやに…という流れになりがちです。
でも、大切な相手だからこそきちんと言葉で伝えることが大事ですね。
喧嘩してあまりよくないムーに謝るの謝るのはすぐにはできなくても、洗濯ものをしまってくれたり荷物を持ってくれたりといった時に「ありがとう。」と言うことならいけそうな気がしませんか。
はなちゃんが次に言いたい言葉は「だいすきだよ。」だそうです。これはきっとすぐに言えそうですね。
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