今回のお話は『ぼくがラーメンたべてるとき』。
あらすじや読書感想文の例文、この本で伝えたいことなどをご紹介しています。対象年齢は小学校低学年(1~2年生)です。2020年の課題図書にもなっています。
おいしそうにのんびりとラーメンを食べている表紙からは想像できない、重いテーマを持っています。
平和な日本に住むわたしたちがラーメンを食べたり、テレビをみたり、野球をしている今この時、世界のどこかでは水を汲んだり、パンを売ったりしてお手伝いをしている子どもたちがいます。さらには誰もいない町で倒れている男の子までいます。
生まれた国でこうも違う子どもたちの生活。かわいそうの一言ではすまされない、大きな問題です。かといってわたしたちにできることは多くありません。
それでも、事実を知ること、想像すること、その事実を知る人が増えることで、悲しい現実に少しでも光を届けることができる未来があるのかもしれません。
このお話は文章の分量が少ないため、ただ読むだけなら小さいお子さんでもすぐに読み終わってしまいます。でも、この本の真意を理解するのは難しいかもしれません。ぜひ、親子で一緒に読んで、一緒に考えてみてください。
- 同じ子どもなのに、暮らし方が全く違うこと
- ほかの国の子どもはどうしてお手伝いばかりしているのか、どうして男の子は倒れているのか
この辺りが見どころであり、感想文を書く時のポイントにもなりますね。
うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
この読書感想文の例文を活用して、文章を「書く価値がある」の?
夏休みといえば頭が痛くなるのが「読書感想文の宿題」ですよね。
親が代筆してまで子どもの読書感想文を手伝う。などは私のグレーゾーンボーイの三男にも行っていました。
じゃあなんで読書感想文なんて書かなければいけないのでしょう。
まぁズバリ言ってしまえば「宿題」だからです。なので難しいことは抜きにして提出しなければならないものはさっさと提出できるように、この読書感想文の例文を活用して下さいね!
また小学生の子どもを持つ親御さんにとって、このブログの読書感想文を使って「書く価値がある」のかもいくつか考えてみました。
1. 子どもたちの参考となる、具体的な読書感想文
この読書感想文により、どのように文章を構成し、どのような内容を盛り込むべきかが明確になるため、子どもが読書感想文を書く際のサポート役として活用することができます。
2.子どもとママのストレス軽減
夏休みの宿題は子どもや親にとって大きなプレッシャーになることがあります。
特に読書感想文は、文章を書くのが苦手な子どもにとっては大きな負担です。子育て世代のママたちは子どものストレスを軽減し、楽しい夏休みを過ごさせたいという気持ちも強いですよね。
3. 忙しいママと子どもの時間を節約
忙しいママや子ども(子どもは暇かな?)にとって、読書感想文の書き方やアイデアを一から考えるのは大変です。
このブログに掲載された読書感想文を参考にすることで、時間を節約し、効率的に宿題を進めることができますよ。皆さんも時間を節約するために、このブログに訪れるかたも多いのではないでしょうか!
この読書感想文のブログ記事を掲載することで、多くのパパ・ママの手助けができ、子どもたちの学びがより充実したものになると考えています。
私の読書感想文が多くのパパ・ママにとって貴重な情報源となることを願っています。
絵本『ぼくがラーメンたべてるとき』あらすじ&おすすめポイント
- 絵本『ぼくがラーメンたべてるとき』あらすじ
- お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント
絵本『ぼくがラーメンたべてるとき』あらすじ
ぼくがラーメンを食べている時、となりでミケがあくびをした。
となりでミケがあくびをした時、となりのみっちゃんがチャンネルを変えた。みっちゃんがチャンネルを変えた時、となりのとなりのたいちゃんがボタンを押した。たいちゃんがボタンを押したとき、そのとなりのゆうちゃんがバイオリンを弾いた。ゆうちゃんがバイオリンを弾いた時、となりの町の男の子がバットを振った。
同じ時、となりの国では女の子が赤ちゃんをおんぶした。その時またとなりの国の女の子が水を汲んだ。その時となりのとなりの国の男の子が牛をひいた。その時またむこうの国の女の子がパンを売っていた。
そして同じ時、そのまた山のむこうの国で男の子が倒れていた。
ただ風が吹いている。
同じ時、ぼくの所でも風が吹いている。
お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント
たんたんと、ぼくのとなりの子はどうしている、そのとなりの子は、またとなりの国では、そのまたとなりの国では、と同じ時を過ごす様々な子どもの描写が、短い文章で描かれます。読んでいくうちに「あれ?あれ?」と自分たちの暮らしと違うことに気づいていくことでしょう。
最後の男の子は誰かに助けてもらえるのか、どうして倒れているのか、どうして一人ぼっちなのか、という所まで膨らませていってみたいですね。
小さな子どもが世界のことを知るきっかけとして、親子で一緒に考えることのできるお話です。
読書感想文『ぼくがラーメンたべてるとき』
『ぼくがラーメンたべてるとき』対象年齢は小学校低学年(1~2年生)
ぼくはラーメンが大好きです。
この本の表紙においしそうにラーメンを食べる絵がかいてあったから、どんなお話なのかなと読んでみようと思いました。
ラーメンを食べている時に何が起こるんだろうと、ちょっとワクワクして読み始めました。でも、読んでみたら思っていたのとだいぶ違いました。
ぼくがラーメンを食べているのと同じ時、テレビのチャンネルを変えたり、ボタンを押したり、バイオリンを弾いたり、バットを振る子がいます。そして同じ時に、となりの国やもっととなりの国では、赤ちゃんをおんぶしたり、水をくんだり、パンを売ったりする子がいます。そして倒れている男の子もいます。
ぼくの近くにいる子どもは、きれいな家に住んでのんびりして、好きなことをしています。
でも、違う国の子どもはずっとお手伝いをしています。どうしてなんだろうと思います。お父さんやお母さんは何をしているのかなあ。学校にはいっているのかなあ。友だちと遊んだりしているのかなあ。
きっとお父さんもお母さんもとても忙しく働いているんだと思います。
だから家のことや小さい子供の面倒をみることができなくて、子どもにたのんでいるんだと思います。そして子どももパンを売ったりして働いて、お金をかせがなくてはいけないんだと思います。
だからきっと、学校に行っていない子もいるだろうし、友だちと遊ぶこともない気がします。
遠くの国の子どもは、何か楽しいことがあるのかなあ。おもしろいことがあって大声で笑うことがあるのかなあ。なんだか何も楽しいことがない気もして、そんな毎日だったらかわいそうだし悲しくなります。
遠くの国の子どもは一生ずっとそういう生活を送るのか、疑問です。
もしそうなら、将来結婚して子どもができたら、その子どももまたお手伝いばかりの生活になってしまいそうで、心配になります。その生活からぬけだすことはできないのかなあ。違う国へ行くことは難しいだろうし、会社の社長になってお金持ちになるのも簡単ではありません。
だったら遠くの国の子どもたちはどうしたらもっと楽しく幸せな生活ができるのかなと考えてみました。
でも、ぼくにはどうしたらいいのかよくわかりませんでした。すごくたくさんのお金をあげてもすぐになくなってしまいます。立派な家を建ててあげても、結局お手伝いばかりするんだろうと思います。
最後の方で男の子が一人ぼっちで倒れています。
どうしてこの男の子は一人ぼっちなんだろうと思いました。まわりに誰もいません。心配して探しに来るお父さんお母さんもいないのかな。男の子が倒れている所の建物はこわれています。男の子の所でも、テレビで見るような戦争が起きてしまったのかもしれません。
この町の人はみんな死んでしまったのかな。
男の子も死んでしまったのかな。ぼくがラーメンを食べている時、どこかで一人ぼっちで倒れている子どもがいるなんて、これまで考えたことがなかったし、ちょっとショックです。この男の子が気を失っているだけで、また立ち上がって誰かと出会って、笑えるといいなと思います。
いろんな国の大人同士でしっかり考えて、世界中の子どもが笑っていられるようにしてほしいです。
ぼくがラーメンたべてるとき、となりのみっちゃんは、なにしてる?となりのくにのこは、なにしてる?あそんでる?はたらいてる?それとも……。
同じ時間の中にいるこどもたちは、今、なにをしているのだろう?どんな場所にいても、まっすぐに立っていてほしい、と、人気絵本作家・長谷川義史が世界の子どもたちの一瞬を切り取りました。
たった十数文字で、世界の本質を表した作品です。出版社からのコメント
「ぼくがラーメンたべてるとき」は、同じ時間軸にいる子どもたちの姿を、絵本作家・長谷川義史さんが描いた絵本です。学校が早く終わった昼下がり、小腹が空いてラーメンを食べている「ぼく」と、同じ時、隣に住んでいるみっちゃんはなにを、そのまたとなりの男の子は…と続いていきます。そして、国を飛び越え、日本でお昼の時間、アジアの国々はだんだん朝に近づいて行き、その時彼らは…という内容です。
日本の恵まれている状況を描くわけではなく、どんな所にも、笑っている子も泣いている子もいて、しかし、どんな状況であっても真直ぐに立っていて欲しい、そして、そこで吹いていた風は、また、私たちにつながっているよ、という思いで描いていただきました。(裏表紙で立ち上がっている男の子の姿をぜひ見てください)長谷川義史さんの中では新たなイメージの絵本ですが、力と思いを込めていただきました。多くのみなさんにお伝えしたいと思っております。何卒よろしくお願いいたします。
ートピックスー・第57回小学館児童出版文化賞を受賞しました。
引用元:教育画劇(アマゾン)
・第13回日本絵本賞を受賞しました。
・第54回青少年読書感想文全国コンクール(小学校低学年の部)の課題図書に選定されました。
・ 2007年の1年間に出された絵本のなかから、お気に入りの絵本を選んでもらい、ランキングを発表する「この絵本が好き!」(別冊太陽編集部/編)の2008年版にて、国内絵本部門第2位となりました!
・2008年度剣淵絵本の里大賞絵本賞を受賞しました。
絵本「ぼくがラーメンたべてるとき」が伝えたいこと
- 世界には過酷な環境で生きる子どもたちがいる
- 正しい現実を知ることが大切
- 「なぜ?」を考えることが大切
世界には過酷な環境で生きる子どもたちがいる
私たちはとても恵まれた生活ができていると言えます。毎日食事をとることができ、学校へ行き、習い事をすることもできます。
しかし少し視野を広げてみると、世界には学校へ行くこともできず、家のお手伝いをしたり、働いてお金を稼いでいる子どもがたくさんいるのです。
悲しいことに、生まれてくる場所は選べません。苦しい境遇におかれている子どもたちは、望んでそういう暮らしをしているのではないのです。そしておそらくは、自分たちの暮らし以外の生活、例えばわたしたち日本での生活の様子はほとんど知らず、自分のおかれた境遇を受け入れるしかありません。
学びたくても学べない、食べたくても食べられない、自分の命さえも危うい、そういう中で生きている人がいることを心にとめましょう。
正しい現実を知ることが大切
わたしたちは知らないことばかりです。そして自ら知ろうとしなければ、新たな情報や知識は入ってきません。
ネットやテレビのニュースで毎日のように流れる他国での痛ましい戦争の様子。画面越しに見る情報はどこか現実離れしていて、実際に今起きている事なんだという実感があまりわきません。何が起きていて、そこにいる人々がどういう状況にあるのか、思いを巡らす人は少ないと思います。
子どもにそこまで考えてもらうのは難しいです。でも、この本を通して、自分と同じくらいの年齢の子どもが暮らす、厳しい状況の一部を知ることができます。
平和とは、格差とは何なのか。それを考えるにはまず正しい現実を知ることが大切です。
「なぜ?」を考えることが大切
この本を読むといろんな疑問がわいてくると思います。どうしてこの子たちはお手伝いばかりしているのか、どうして男の子は一人ぼっちで倒れているのか。
現実を知るとそれと同時にいろんな「なぜ?」がわいてくるものです。そして子どものその疑問には、可能な限り答えてあげたいですね。この「なぜ?」を考えることがとても大切だからです。
現実を知って「学校に行けなくてかわいそう」「ご飯が食べられなくてかわいそう」で終わってしまっては少しもったいないかもしれません。
学校へ行けないのはなぜ?→お手伝いをしなければならないから→両親ともに仕事が忙しいから→子供も働いてお金をかせがなくてはいけないから→みんな貧しいから→じゃあなぜ貧しいの?・・・。
そうやって「なぜ?」を広げていくことで問題の本質に少しずつ近づくことができますね。
戦争と貧困
この本の中に戦争や貧困というワードは出てきません。
それでも子どもがお手伝いの範囲を超えて労働している背景には、国レベルでの貧困があるのは明白です。また戦争と貧困も密接にかかわりあっています。
この本で男の子が倒れている場面。描かれている町には人がおらず、建物も壊れがれきが散らばっているように見えます。これが戦争によるものなのかは定かではありません。それでもそれを想像させる、重い空気の絵が描かれています。
数ページあとで男の子が倒れている場面には何もなく、ただ風だけが吹いています。戦争ではすべてなくなてしまうのです。
絵本『ぼくがラーメンたべてるとき』読書感想文とあらすじのまとめ
今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200字)
このお話には、のんびりラーメンを食べている表紙からは想像できない展開が待っています。ぼくがラーメンを食べているのと同じ時、どこかの国では一人ぼっちで倒れている男の子がいるという、驚きのストーリーです。
おいしいラーメンを食べている時、他の国の子どもがどうしているのかなんて考えることはまずありません。これはわたしたちがそれくらい恵まれているということもあります。一方で、どこかの国で水をくんでいる女の子も、他の国でのんきにラーメンを食べている子どもがいることなんて、考えもつかないでしょう。毎日生きるのに精いっぱいで、余計なことを考える余裕なんてないのです。
この本の文章はとても短く、読むだけならあっという間に読み終わってしまいます。読む分量が少なく、絵が主体であるので、対象年齢は小学校低学年(1~2年生)となっていますが、その年齢の子どもがこの本の真意を理解するのは難しいと思います。
それでも、最後に男の子が倒れているシーンではさすがに「なんでこのこはたおれているの?」くらいの疑問が出てくるかもしれません。その時は「なんでだと思う?この女の子はどうして水をくんでいるのかな?」と子どものイメージを膨らませてあげるような問いかけをして、一緒に考えてみましょう。
最後の方で男の子が倒れている場面の空と、ぼくの家のねこがのぞく窓から見える空の色が同じなのもメッセージを感じますね。風はどこでも吹く、空はつながっている。でも地上でくらす人々の生活は同じではない。そして、どこかの国の現状はいつか自国で起こることかもしれない・・・。ふとそんな考えさえも浮かびます。
また裏表紙で、倒れていた男の子が立ち上がっていることは何を意味しているのでしょう。
倒れていたけど何とか元気を取り戻し、立ち上がることができたということでしょうか。だとしたら苦しい日々だとしても希望はあるという前向きなメッセージです。
もう一つ思ったのは、この裏表紙の絵はもしかしたら男の子みたの夢なのではないか、ということです。月が明るく照らす穏やかな夜。こんな穏やかな月夜を見たかった、という男の子の叶わぬ夢だったのでは・・・。
いや、きっと月を眺める穏やかな夜は男の子のもとにもおとずれるでしょう。そのためには、わたしたちが真実を知ってそれぞれが少しずつ関心を持つこと、目の前のラーメンはおいしく残さず食べること。そんな些細なことの積み重ねが、男の子の暮らす空を少しずつ明るく照らしていく気がしています。
↓こちらは読書感想文と詩の一覧表です。
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↓こちらは夏休みの詩の宿題です
出典 文部科学省 これからの時代に求められる国語力について