今回のお話は『サーカスのライオン』。
あらすじや読書感想文の例文、この本で伝えたいことなどをご紹介しています。
対象年齢は幼児さんとなっていますが、教科書は3年生のものに採用されていることからも、内容を理解するには小学校中学年くらいが適切かもしれません。
サーカスのライオン”じんざ”は、サーカスの中でだんだん年を取っていきます。変わらない毎日に張り合いを持たせてくれた少年との出会い。なのに少年の家が火事になってしまって・・・。
狭いサーカスの世界でただ年老いていくだけだったじんざ。もしもアフリカにずっといられたら、もっと充実した日々だったのでしょうか。
”じんざ”は自分を好きだと言ってくれ、自分を認めてくれている大切な存在である少年を守ろうと炎の中へ飛び込みます。そして命を落とすことになってしまいます。けれど、サーカスの中でただまんじりと老いていくより、じんざにとては命輝く最期だったのかもしれません。
”老いる”とは、誇りある人生とは、”じんざ”の姿にそんなことを重ねて考えます。
きっと”じんざ”は自分の行動に後悔することなく、アフリカの地を風になって走っていることでしょう。
- ”じんざ”の心境がどのように変化していったのか
- どうしても大切な存在を守りたい気持ち
- どうして”じんざ”の気持ちが前向きになったのか
この辺りが見どころであり、感想文を書く時のポイントにもなりますね。
うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
この読書感想文の例文を活用して、文章を「書く価値がある」の?
夏休みといえば頭が痛くなるのが「読書感想文の宿題」ですよね。
親が代筆してまで子どもの読書感想文を手伝う。などは私のグレーゾーンボーイの三男にも行っていました。
じゃあなんで読書感想文なんて書かなければいけないのでしょう。
まぁズバリ言ってしまえば「宿題」だからです。なので難しいことは抜きにして提出しなければならないものはさっさと提出できるように、この読書感想文の例文を活用して下さいね!
また小学生の子どもを持つ親御さんにとって、このブログの読書感想文を使って「書く価値がある」のかもいくつか考えてみました。
1. 子どもたちの参考となる、具体的な読書感想文
この読書感想文により、どのように文章を構成し、どのような内容を盛り込むべきかが明確になるため、子どもが読書感想文を書く際のサポート役として活用することができます。
2.子どもとママのストレス軽減
夏休みの宿題は子どもや親にとって大きなプレッシャーになることがあります。
特に読書感想文は、文章を書くのが苦手な子どもにとっては大きな負担です。子育て世代のママたちは子どものストレスを軽減し、楽しい夏休みを過ごさせたいという気持ちも強いですよね。
3. 忙しいママと子どもの時間を節約
忙しいママや子ども(子どもは暇かな?)にとって、読書感想文の書き方やアイデアを一から考えるのは大変です。
このブログに掲載された読書感想文を参考にすることで、時間を節約し、効率的に宿題を進めることができますよ。皆さんも時間を節約するために、このブログに訪れるかたも多いのではないでしょうか!
この読書感想文のブログ記事を掲載することで、多くのパパ・ママの手助けができ、子どもたちの学びがより充実したものになると考えています。
私の読書感想文が多くのパパ・ママにとって貴重な情報源となることを願っています。
絵本『サーカスのライオン』あらすじ&おすすめポイント
- 絵本『サーカスのライオン』あらすじ
- お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント
絵本『サーカスのライオン』あらすじ
町はずれにサーカスがやってきました。
サーカスのライオンじんざは年を取っていました。眠っている時はいつもアフリカの夢を見ます。夢の中ではじんざは草原を風のように走っていました。
自分の番が来ると、じんざは火の輪めがけてジャンプします。でもじんざはあまり元気がありません。そこでライオンつかいのおじさんが「ちょっとかわってやるから、さんぽでもしておいでよ。」と言ってくれます。じんざは人間の格好をして外へ出ました。
するとそこに男の子が立っていました。その男の子はライオンが好きだと言いました。そして「昼間サーカスを見た時はなんだかしょげていての。だからおみまいにきたんだよ。」とも言いました。それを聞いたじんざは胸が熱くなったのです。
じんざは男の子を家まで送っていくことにします。道すがら、男の子の家族は忙しく、お母さんは入院していて、いつも一人ぼっちだという話を聞きます。そしてピエロの話をしながらおどけていたじんざは足をくじいてしまいます。
次の日から男の子は毎日ライオンの檻にやってくるようになります。そして必ずチョコレートを持ってきます。じんざはチョコレートは好きではなかったけれど、嬉しかったのです。
そしてサーカスが明日で終わるという日、男の子から「お小遣いがたまったから、明日サーカスを見に来るよ。」と聞きます。するとじんざの体に力がこもり、「明日は若い時のように、火の輪を5つにしてくぐりぬけてやろう。」とやる気がみなぎります。
しかしその夜、火事が起きます。男の子のアパートの方です。じんざは檻をぶち壊し、ひとかたまりの風になってすっ飛んでいきます。そして燃える炎の中へ足を引きずりながら飛び込みました。そして男の子を抱きかかえ、消防士に男の子を渡します。でももうじんざの周りには煙がいっぱいで何も見えません。
やがてひとかたまりの炎が舞い上がり、ライオンの形になって空高く上がりました。ぴかぴかに輝くじんざでした。
次の日、ライオンの曲芸の時にじんざの姿はありませんでした。それでもお客さんは一生懸命に手をたたきます。じんざがどうして帰って来なかったのかを、みんな知っていたのです。
お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント
ただ年老いていくだけの日々に、またやる気を取り戻させてくれた少年とのかかわり。少年と出会う前と後でじんざの心境がどのように変化したのかが興味深いポイントですね。
そして少年を守ろうとする誇り高きじんざ。少年を守るために炎の中へ飛び込み、風となるじんざの姿をその目に焼き付けてください。
幼児さんへの読み聞かせ、小学校低学年からの一人読みのおすすめです。でも、内容をきちんと理解できるのはもう少し大きくなってからかもしれません。小学校中・高学年の子が読んでもいろんな感じ方ができると思います。実際、教科書に採用されているのは3年生のものです。
「サーカスって何?」から始まって、親子でじんざの優しさを語り合ってみてはいかがでしょうか。
読書感想文『サーカスのライオン』
『サーカスのライオン』対象年齢は小学校中学年(3~4年生)
”じんざ”は年老いたサーカスのライオンです。ずっと元気がなうかったけれど、男の子からライオンが好きでサーカスを楽しみにしていると聞き、自信を取り戻していきました。
わたしはサーカスを見たことがありません。だからイメージだけど、動物が芸をしたり、人間が空中ブランコをしたりするんだと思います。
そこで疑問に思うことがあります。
サーカスにいる動物は、楽しいのかな、幸せなのかな、ということです。動物園の動物もそうだけど、狭いおりの中でずっとくらしていて、つまらなくないかなと思います。
動物園では芸をやらされることはないけれど、サーカスではいろんな芸をやらなければばりません。
きっとやりたくない時だってあると思います。でもお客さんを喜ばせるためにやらなければなりません。外を走り回りたい時もあると思います。みんなそういう気持ちを我慢しているのか、どうしてずっと我慢できるのか疑問です。
”じんざ”の様子を見ると、もうアフリカに戻りたい気持ちもあきらめてしまっているようです。
他の動物もそうやってあきらめているのか、もしかしたらサーカス以外の世界を知らないかもしれません。それは少し残念な気もします。世界はもっと広くて、楽しいこともたくさんあるのに。
男の子に出会う前の”じんざ”は楽しそうに見えないし、幸せそうにも見えません。
でも、男の子からライオンが好きでサーカスを楽しみにしていると聞き、毎日顔を合わせているうちに、「若い時のように、火の輪を5つにしてくぐりぬけてやろう。」と思うほど、やる気がわいてきました。ただやっているだけだとつまらない芸だけど、楽しみにしてくれている人がいることがちゃんとわかって、自分のやっていることに自信が持てたんだと思います。
それに、嫌いなチョコレートを毎回受け取るじんざはとてもやさしいです。男の子を傷つけないようにしているのがよくわかります。
男の子は”じんざ”にやる気を取り戻させてくれた大切な存在です。
でも、男の子はそんなすごいことをやってあげたとは思ってないと思います。自分もいつも一人でさみしかったから、ライオンにあって話をきいてもらうことで、気がまぎれていたはずです。”じんざ”は男の子から元気をもらって、男の子もじんざから元気をもらっていたと思います。
そんな大切な人である男の子が火事に巻き込まれてしまいます。”じんざ”は男の子を守るため、炎の中へ飛び込みます。そして男の子を助け、じんざはライオンの形をした炎になって、空を走りぬけていきました。
火にはなれていても、燃えさかる炎はとても怖かったと思います。
でもそんな恐怖に打ち勝って、たぶん自分が死ぬことも覚悟して、男の子を助けました。大切な人を守りたくても、自分が死んでしまうかもしれないのに炎の中へ飛び込むなんて、できることではありません。
でも、男の子に気持ちを救ってもらったから、今度は”じんざ”が男の子を救ってあげたんだと思います。死んでしまっても、”じんざ”は後悔はしていないと思います。
最後の場面で、ライオンがいなくてもライオンの曲芸をしています。
ライオンはいないのにお客さんは拍手するし、ライオンつかいのおじさんもとてもさみしそうです。サーカスにいた”じんざ”はあまり幸せではないと思ったけれど、本当はたくさんの人に愛されていて、ずっと幸せだったのかもしれません。
じんざはきっと今頃風になって、アフリカの草原を走り回っていると思います。
絵本『サーカスのライオン』が伝えたいこと
- ”自分らしく生きる”とはどういうことか
- 存在を認められ、期待されることで強くなれる
- 大切な存在を守るということ
”自分らしく生きる”とはどういうことか
ライオンは本来アフリカの草原を自由に走り回っているはずの動物です。
けれどじんざはいつから火は分かりませんが、ずっとサーカスの檻の中にいて芸を続ける毎日です。本来の生活とはまったく違う狭い世界での自由のない日々。変わらない毎日を重ね、ただ年老いていきます。
それはおそらく”じんざ”が望んでいたことではないでしょう。でも月日が経つにつれ、自分の理想を追い求めることも無くなり、あきらめのような感情に支配されてしまっていたのではないでしょうか。
何らかの事情で本来の自分ではない生き方を強いられると、不満を抱えながらも次第に慣れ、自分らしさを忘れてしまうことがあります。あきらめて自分の奥底にしまい込んでしまう、とも言えます。
自分らしく生きるということは、明日は何が起こるのか楽しみであることや、自分のことを自分が認めていることなのかなと考えます。少年に出会う前のじんざにはなかった感情ですね。じんざも自分らしく生きているとは思ってなかったのでしょうね。
存在を認められ、期待されることで強くなれる
張り合いのない毎日を過ごしていたじんざですが、男の子に出会うことでその気持ちは一変します。
男の子にライオンが好きだと言われ、元気のないことを心配され、毎日チョコレートをもらっているうちに、じんざは前向きになります。若い時のように5つの火の輪をくぐろうという気持ちにもなりました。
これは男の子が自分のことを好きだと言ってくれたり、芸を楽しみにしてくれたり、心配してくれることで、じんざが自信を取り戻し、やる気が復活したということですね。
変化のない毎日だったとしても、自分のことを好きで待ってくれる人がいるだけで、どれほど心が強くなることでしょう。男の子に出会ったことで、じんざの毎日はただ過ぎていく日々ではなく、もっと自分を輝かせようと本来の自分を取り戻す日々に変わりました。
大切な存在を守るということ
”じんざ”にとって男の子は、自分を暗闇から光あふれる世界へと引き戻してくれたかけがえのない存在です。そんな大切な存在に訪れる最大のピンチに、じんざはまっしぐらに走り出します。
火の輪をくぐるのに慣れているとはいえ、燃えさかる炎の中へ飛び込むのはどれほど勇気がいったことでしょう。”じんざ”は「もしかしたら自分は死んでしまうかもしれない。」と思ったかもしれません。そうだとしても守らずにはいられなかったのです。自分の人生を再び明るく意味のある日々に変えてくれた男の子は、何としても守りたかったのです。
”自己犠牲”という考え方は好きではありませんが、結果的にそうなってしまっても後悔しないというほど、強い気持ちが生まれることがあるのですね。
絵本『サーカスのライオン』読書感想文とあらすじのまとめ
今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200字)
何の変りもなくただ過ぎていく毎日。
ただ老いていく自分。男の子に会うまでの”じんざ”は、生きることに何の喜びも感じていなかったかもしれません。しかし、男の子に出会い、自分の誇りを取り戻し、自分らしい生を全うできたことでしょう。
燃えさかる炎に飛び込んだじんざですが、死ぬつもりはなかったと思いたいです。
次の日にサーカスで自分の芸を男の子に見てもらうつもりだったと思いたいのです。大切な人を守るためなら自分の命はどうなってもかまわない、という自己犠牲の気持ちが尊い面もありますが、誰かを助けるからと言ってその人の命が失われてもいいとは思えません。
でもじんざは後悔はしていないと思います。自分のできることで全力を尽くし、自分の思うように最期の時を生きたのです。サーカスの檻の中で衰えて命を終えるより、自分らしい最期を迎迎えられたのかもしれません。
わたしたちも、ともすれば変わらない毎日を過ごし、何かをあきらめ、何かにしばられて、ただ老いていくことになってしまいます。でも、老いる、年を重ねることは悪いことばかりでもないでしょう。
人生の終盤戦、その人らしく生きられるよう、明日はここへ行く、たくさん歩く、読書をする、何でもいいので自分に役割を与え、明日を楽しみに迎えられるといいのかなと思います。
風になったじんざはアフリカの地を気持ちよく駆け回っているでしょうね。
↓こちらは読書感想文と詩の一覧表です。
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