今回は保育園入園したてのころの、”こわがり三男”のようすをお話します。
私の三男は、発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
幼少期から、落ち着きがなく、常に動き回る一方で、意外と怖がりな一面もありました。
保育園に入園したころ、先生や他の子どもたちと一緒に過ごす中で、彼の特性が少しずつ明らかになっていきました。大きな音や強い風におびえ、些細な傷でも心配するくせに、目の前にあるものには全く気にせず、猪突猛進しながらケガばかりする、親にとって不安を抱える日々を送っていました。
このブログでは、そんな「暴走するけど怖がり」な三男の成長過程と、それに伴う私たち家族の工夫についてお話しします。
境界知能の子どもを育てる中で、私たちが直面した課題や、その解決に向けた試行錯誤の日々を、皆さんと共有できればと思います。同じような経験をしているお父さん・お母さんにとって、少しでもお役に立てる記事になれば幸いです。
- 保育園に入園しても、落ち着きのなさは変わらず、家でも外でもケガが絶えなかった
- 暴走するくらい活発だったが、同時に大きな音や風を怖がる繊細な面も持っていた
- 高校生になった今も、怖がりな部分は残っているが、昔と比べると落ち着いてきた
私は、地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事(+ちょっと愚痴)などを通じて、少しでもグレーゾーンのお子さんを持つお父さん・お母さんのお役に立てるような記事が書ければと思っています。
暴走するけど怖がりです
- 保育園に入っても、落ち着きのなさは変わらない
- 周りに注意を払うことなど皆無
- 自分を守りたい気持ちが強い
保育園に入っても、落ち着きのなさは変わらない
とにかく行動のすべてががさつ。
子どもだから仕方ない、というレベルではなく。コップは何度落としたか分からないし、上着も行方不明。保育参観などで普段の保育園での様子を見たときのことを思い出すと、際立ってゴソゴソしていました。先生の話は聞いているのかいないのか、興味を惹かれるとすぐに行動に移してしまっていましたね。
動いてもいいタイミングとか、やり始めてもいいタイミングとか、まったくお構いなしです。ただただ自分の興味の赴くままの行動でした。
そんな感じで常に動き回っていたので、家の中でも外でもケガが絶えませんでした。
ある時は、家の中で転んで椅子に顔をぶつけ、おでこから流血。「おかーしゃん、たすけて~!」と涙ボロボロ・・・。この時も、危ないから走らないでと言ったそばからおもいっきりこけました。
「だから言ったじゃん・・・。」
と言いたくもないセリフも出てしまいます。そしてこうなるとこの世の終わり位の大号泣になります。そうなることは家族全員が見えていました・・・。
え~ん、いたいよ~。。。(血だらけ)
ある時は、また家の中で転んで段差に口をぶつけ、歯ぐきから大・大・大出血!当然この時も大号泣でしたが、血も止まっていたのでまあいいかとそのままにしてしまいました。そうしたら、あとあと虫歯の治療で行った歯医者さんに「これ、縫った方が早く治ったかもね~。」と言われました・・・。悪かったよ三男くん・・・。
(そう、虫歯もできやすかったです。しっかり歯磨きしていたのですが、次から次へと虫歯が・・・。歯医者さんによればそういう体質の子もいるとのこと。成長すると落ち着いてくるよ、おっしゃっていました。実際高校生になった今は虫歯はありません。)
またある時は、保育園の門の前で思いっきり転び、目の上からまた大流血!そばにいた先生から、「あー、これ、このまま病院行ってきてもらった方がいいかも・・・。」
と言われ、「・・・はい、行ってきます・・・。」この時は縫わないで済むテープを張ってもらってOKでしたが。その後しばらく病院通いでした。この時の傷は、痕に残っています。
周りに注意を払うことなど皆無
自分の興味や目に入ったものめがけて猪突猛進。
足元なんて気にするはずありません。
家の中でのケガも保育園の前でのケガもそうですが、遊びたいおもちゃや好きな先生が目に入ると、もうそれしか目に入らないのです。おもちゃの手前にある段差も、横から走ってくる他の友達や車も、何も見えなくなります。
幸いなことに、大きな事故にはなりませんでしたが、一歩間違えたら大惨事です。よく、車道を挟んだ向こう側の歩道にお母さんを見つけ、子どもが安全を確認せずに車道を渡って事故にあう、というパターンがありますが、いつそうなってもおかしくなかったです。
なので、外出時、特に人や交通量が多い所へ出掛けるときは、ハーネスをつけていました。当時ハーネスをつけている子どもはかなり少数派でした。それでも、三男を守るため、他の人に迷惑をかけないためには必須の物でした。
自分を守りたい気持ちが強い
それなら肝っ玉が据わっているかと言えば、ただ後先を考えないだけで、まったくそうではないのです。かなりのビビりです。
例えば、大きな音、強い風など大嫌い。
これは今でもそうです。
遠くで上がる打ち上げ花火でも、怖くて見に行こうとはしません。保育園の頃、家族みんなで打ち上げ花火を見に行った時、雨が降りそうだったので傘を持って行ったのですが、花火が始まると三男はその傘を広げ、「まもる!」と言って傘の中で小さくなっていました。
先日、高校生になった三男も一緒に打ち上げ花火を見に行ったのですが、最初の花火が上がった時、まさに飛び上がってびっくりしていました。慣れたら大丈夫でしたが、基本苦手みたいですね。
大きな音はこわいよ。。。
は、? ”まもる!”って何?
病院の先生の話では ”自分を守りたい気持ちが強い” ということでした。
なので、見えるか見えないかの本当に小さな傷でもとても気にします。
「これ、すぐなおる?」といつも心配そうに聞いてきます。
高校生になった今でもそう。老眼の私には見えないような傷も「これ、どうしたのかねえ。」と聞いてくるのです。そして、バンドエイドを貼ると治ると思っているのが可愛い。お風呂で取れるとすぐに貼り直しです。
とにかく、大きな音、強い風、雷など、自分に害のありそうなものに対しての恐怖心はとても強いようです。
台風が来た時などは本当に怖そうにします。今はだいぶ耐えられるようになってきましたが、保育園から小学校低学年の頃は、怖くて夜も寝られないこともありました。そんな時は家の中で一番静かそうな所を探して、一晩過ごしたりしていましたね。
高校生になった今でも雷が鳴ると「あわわわわ・・・・・。」と不安いっぱいの顔をします。
カミナリこわいよぉ・・・。(高1)
下校途中で雷が鳴った時は、必死になって走って帰ってきました。
かわいそうでもあり、なんだかかわいくもあります。
危険な行動に対する安全対策&はげまし方の工夫
- 家具の配置替えとクッション材の設置
- 怖がりな三男に対する励まし方の工夫
家具の配置替えとクッション材の設置
三男は、小さな頃から家の中でも動き回って怪我をすることが多く、頻繁に転んだりぶつかったりしていました。
上記にも書きましたが、階段の段差では思いっきり口をぶつけて大けがをしたりと、家の中といえど安全とはいえない状況でした。
なので、たいした工夫ではありませんが、私と旦那さんで少し対策を考えてみました。
① 三男がよくぶつかる段差の角に柔らかいクッション材をつける
② 動きやすいスペースを作るため、タンスなどの家具の配置がえ
③ ちょっと座るのに便利な小さめの椅子や、踏み台になるような箱などの撤去
④ 三男が走って転びやすい場所にはクッション性の高いマットを敷く
対策が良かったのか、成長したからなのか?幸いなことにその後はあまり大きなケガはしませんでした。
今でも「この先もっと大きなけがや事故にあうのではないか。」と不安を募らせた当時のことを思い出します。
怖がりな三男に対する励まし方の工夫
「守りのバンドエイド」作戦
三男は小さな傷でもいつも非常に気にしており「これ、治る?」と何度も聞いてくるほどでした。
そこで、私は「バンドエイドを貼れば治るよ」というおまじないのような励ましを始めてみました。
三男はこれをとても気に入り、少しの傷でもバンドエイドを貼ると安心していたものです。
ある日、保育園の門の前で転び、大流血してしまった時も、「バンドエイドを貼れば治るよ」とはげました時は、痛みと恐怖心が少し和らいだようでした。
これはバンドエイドでなくてもなんでもいいのです。例えば、ケガをして血が出た時、ケガしたところをおさえて10数えたら血が止まるよとか、どこか痛い時、思いっきり手をグーにして握ると痛みが和らぐとか、でたらめでいいのです。まずは気持ちを落ち着けてあげるのが肝心。それで本人が安心できるのなら、大成功ですね。
なんだかんだいって、高校生の今になってもバンドエイド貼ってあげています…。そして、困った時はすべてバンドエイドということになっています。テストの点数が悪くても、頭や答案用紙にバンドエイドを貼るとか・・・。バンドエイドがすべてを解決してくれるのです!
怖い気持ちを否定しない
花火や風の音、雷など、三男が苦手なものはたくさんあります。でも、三男が怖がった時に、「そんなの平気だよ!怖がりだなあ。」などと馬鹿にするような言い方はしないようにしてきました。
怖いものは怖いのです。誰だって苦手なものはあります。別に悪いことではありません。怖い気持ちを受け止め、認めてあげて、大丈夫だよと寄り添ってあげることで、本人は安心でき、おだやかに過ごせるのです。無理に克服させる必要はないと思います。
そのおかげか、三男は今でも怖がりではありますが、自分は弱虫だと思うこともなく、自己肯定感は高いまま成長しています。
暴走するけど怖がりな境界知能の三男、成長記録と親の工夫 まとめ
三男との日々を通して、私自身もいろんなことを経験し、学ぶことも多いです。
彼の特性である暴走ともいえる活発さと、同時に抱える臆病な面は、私にとっては不思議な特性でした。今でもですが…。
そして、毎日の小さな工夫やサポートを通じて、三男が少しずつ自分の特性を理解し、成長していく姿を実感することもできています。今では暴走するほどの活発さはかなり落ち着きましたが、臆病なところは変わりません。
この記事では、保育園での出来事を中心に、三男の特性や家族の工夫を振り返りました。
試行錯誤の中で見つけた私の安全対策や励まし方が、同じような境遇の方々にとって、何かの参考になれば幸いです。お子さんの特性に向き合うことは時に大変ですが、それ以上に子どもの成長の多様性を知ることができ、親の側の懐の広さも広げてくれるといえます。
これからも三男との日々を楽しみながら、その成長を見守り続けていきたいと思います。
また、同じような悩みを抱えているお父さん・お母さんと共に支え合っていけるよう、私の体験が少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
出典:文部科学省公式サイトより
↓こちらの記事は、生まれて間もないころのお話です。
こちらは生まれてから保育園までのお話です
グレーゾーンの三男にはこんな「あるある」な特徴もありました。
保育園時代に気になっていたことの記事を書いてみました。よろしければお読み下さい。