今回のお話は『しらゆきひめ』。
ご存じない方はいないのではないでしょうか。こちらもグリム童話です。少し残酷で不気味な感じもあります。
しらゆきひめはある国のお姫様。本当の母親はすぐに亡くなり、2番目のおきさきさまがやってきます。このおきさきさま、自分が世界で一番美しくないと気が済まないのです。
しらゆきひめが成長すると、鏡にも「しらゆきひめが一番美しい。」と言われます。
怒ったおきさきさまはしらゆきひめを追い出し、猟師に殺すように命じます。しかし猟師はしらゆきひめを殺すことができませんでした。逃げたしらゆきひめは、小人たちの家で暮らします。そこへおばあさんに化けたおきさきさまがやってきて、しらゆきひめに毒りんごを渡し、しらゆきひめは死んでしまいます。
悲しむ小人たち。そこへ王子様がやってきて体を起こすと、口からりんごが落ち、しらゆきひめは生き返ります。そして二人は結婚し、幸せに暮らす、というお話です。
「わたしにもいつか王子様が現れてくれるかもしれない。」と女の子が憧れることもあるお話ですね。
美しさにとらわれたおきさきさま。
どうしてそこまでこだわったのでしょう。誰にも分かってもらえない寂しさのような感情があったのかもしれません。私にはおきさきさまも少しかわいそうに思えてしまうのですが・・・。
うちの三男グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
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読書感想文『しらゆきひめ』 例文
以下感想文です。
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しらゆきひめのおはなしはしっていたけど、ちゃんと本でよんだのははじめてでした。
おきさきさまは毎日、
「かがみよかがみ せかいじゅうでいちばんうつくしいのはだあれ。」
とかがみにたずねます。はじめは
「おきさきさまです。」
といわれてよろこんでいたけど、しらゆきひめがせいちょうすると
「しらゆきひめのほうが10ばいうつくしい。」
といわれ、しらゆきひめのことがにくくてたまらなくなります。そしてりょうしに、しらゆきひめを森へつれていってころしてしまうようにめいれいします。
おきさきさまはとてもひどいです。
しらゆきひめはなにもわるいことをしていないのに、どうしてころしてしまえなんていえるのかなとおもいます。おきさきさまはしらゆきひめのほんとうのおかあさんじゃないからなのかな。じぶんの子どもだったら、ころしてしまおうなんてぜったいにかんがえないはずです。それに、じぶんよりうつくしくなったらうれしいんじゃないかなとおもいます。
じぶんがいちばんうつくしくないとおこってしまうなんて、すごくわがままです。
せかいじゅうをみたら、うつくしいひとなんてたくさんいるとおもいます。そんなにじぶんにじしんがあるのかなあ。いくらきれいでも、だんだんとしもとっていくから、ずっといちばんうつくしくいられるなんてむずかしいとおもいます。
どうしておきさきさまはそんなにうつくしいことにこだわったのかなとおもいました。王さまとけっこんしておきさきさまになれたんだから、それだけでもすごくいいことなのに。王さまに
「せかいでいちばんうつくしくないとダメだ。」
なんていわれたわけでもないとおもいます。でも、いちばんきれいじゃないと王さまにきらわれてしまうかも、っておもっていたかもしれません。
そうだとしたらおきさきさまのきもちもすこしはわかるけど、やっぱりしらゆきひめをころしてしまえ、というのはまちがっています。
おきさきさまはりんごうりにばけて、しらゆきひめにどくをぬったりんごをたべさせてころそうとします。そうまでしてもいちばんきれいでいたかったなんてなんだかすこしかなしくなります。
しらゆきひめはじぶんがうつくしいなんていちどもじまんしていません。
こびとのいえでもそうじやせんたくをしたり、りょうりをつくったり、いっしょうけんめいはたらきます。やさしくしてくれたこびとたちに、おんがえししょうとしています。
しらゆきひめがとてもやさしくてこころがきれいだったから、こびとたちもいえにおいてあげたんだとおもいます。ふつう、しらない人がとつぜんいえにいたら、びっくりしておいだすとおもいます。そうしなかったのは、しらゆきひめもこびとたちもりょうほうともやさしかったからだとおもいます。しらゆきひめがこびとたちにあえて、しなずにすんでよかったです。
そしてさいごにはおうじさまがやってきて、けっこんすることができました。
おうじさまはしらゆきひめとひとこともはなしていないけど、しらゆきひめがいい人だってわかったのかなあ。しらゆきひめがきれいだったからかなあ。かおをみただけでいい人だってわかるなら、おうじさまはすごいな。
しんでしまったおきさきさまはすこしかわいそうだけど、しらゆきひめはずっとしあわせでいてほしいとおもいました。
『しらゆきひめ』で伝えたいこと
本当の美しさは見た目ではない
おきさきさまがずっとこだわっていた美しさ。それは外見の美しさでした。でも、外見の美しさはそれぞれの人の感じ方や好みもあります。そして、歳を重ねていけばどうしても若さは失われ、美しさを構成している要素も失われることになります。
一方のしらゆきひめは自分の美しさを自慢することはありません。そして小人達の家でも献身的に働きます。お世話になっているのだからできることをしようと、けなげな姿を見せます。
そうやって謙虚に、人のことを思って行動できる人であれば、ちゃんと認めてくれる人も現れ、幸せにも近づけますね。
自分より優れた人を貶(おとし)めようとしてはいけない
いつでも自分が一番なんてありえません。得意・不得意があって当然。まして見た目のことを変えるのは難しいです。あの人の方が認められているからといって、何とかして貶めたいというのは間違いですね。その人が勝っている所があったとしても、スーパーマンじゃないのだから、何でもかんでもできるわけではありません。
美しさに固執する心の不安定さ
美しさにこだわったおきさきさま。心の奥に満たされない寂しさをかかえていたのではないでしょうか。おきさきになれたとは言っても、しらゆきひめの本当の母親ではないし、いつか追い出されてしまうかもしれない、といった漠然とした不安。美しさを認めてもらうことでしか、自分の気持ちの安定を保てなかったのでは、という気もします。
美しさを求めるのは素晴らしい。でも、度を越えた感情は、どこか危ない感じも受けます。
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今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200文字)
意地悪なおきさきさま、けなげなおひめさま、優しい小人達、白馬に乗った王子様。”おひめさま”の話の典型ですね。
辛いめにあっても優しさと謙虚さを忘れなかったしらゆきひめに幸せがやってくるのは当然の流れと言えます。そして、美しさを求めたおきさきさまがしらゆきひめにした仕打ちは確かにひどい。
でも、おきさきさまにも何か思う所があったのではないか、おきさきさまの言い分も聞いてみたい、と思ってしまう自分がいます。みんな何かしら不安や悩みを抱えていると思うのです。それが限界を超えると、通常では考えられない言動をとってしまうのかも・・・。
それにしても、この手のお話に出てくる王子様って、どうなんでしょう。私のようなおばさんには”白馬に乗った王子様”ではなく、”どこからやってきたのか分からない馬の骨”にしか見えないのですが…。
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