うちの子は、大人になっても自転車に乗れないかも…。
そんな悩みを持つ親御さんに、発達障害を持つお子さんが自転車の乗ることや練習をする上での難しさや問題点についてお話しようと思います。
発達障害を持つお子さんは体の使い方がよくわからなかったり、不器用だったりして、苦手なことが多いです。特に、体の様々な部分を使う運動(球技や縄跳びなど)は上手くできないと感じているお子さんも多いと思います。
わが家の三男は、発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。三男も不器用で苦手なことが多く、小学6年生まで自転車に乗れませんでした。三男が自転車に関わってから乗れるようになるまで、実に6年以上の月日がかかったのです。
この記事では、発達障害を持つお子さんが自転車に乗る時に心配なことや、練習をする時に気を付けたいことをあげ、解決のヒントをご紹介しています。
発達障害を持つお子さんは、何かと失敗することが多く、ほめられる機会も少なく、自信を持ちにくいと思われます。しかし、自転車の練習を通して頑張ることを学び、乗れたことで世界を広げ、さらに自己肯定感を上げていくことができるという、よい流れを期待できるという内容になっています。
親子双方にとって大きな試練ではありますが、一緒に頑張ったことで得られる親子の間の信頼感やお子さんが感じるであろう安心感は、かけがえのない宝物になるでしょう。
- 発達障害の子どもが自転車に乗ることの難しさ
- 自転車に乗れることの重要性とその理由
- 発達障害の子どもが自転車に乗る際の課題と解決策
- 親ができること

うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
「うちの子は乗れるかな?」発達障害の子どもの自転車練習の不安を解消
- 発達障害の子どもが自転車に乗ることの難しさ
- 自転車に乗れることの重要性とその理由
- 発達障害の子どもが自転車に乗る際の課題と解決策

1.自転車に乗れない発達障害の小学生の子ども
発達障害(境界知能)と自転車に乗ることの関係性・難しさ

発達障害(境界知能)をお持ちのお子さんにとって、自転車に乗れるようになることは大きな壁の一つです。
しかし、発達障害を持つお子さんには苦手なことがたくさんあります。感覚も過敏だったりするし、新たなことへのチャレンジになかなか取り組めないことがあります。また、発達性強調運動障害という特性を持っていることも多く、本来の能力的にも難しいという面もあります。
そこでまずは発達障害を持つお子さんが自転車の乗ることの難しさ、どのような関連があるのかを考えてみたいと思います。
発達性協調運動障害とは

まず、発達性強調運動障害とはどのようなものなのでしょうか。
発達性強調運動障害とは、体の動きをコントロールする「協調」とよばれる脳機能の発達に問題のある発達障害です。複数の身体の部位を同時に使って行う運動が著しく困難で、日常生活や学校生活に支障をきたします。

例えば、ボールをうまく蹴ること、文字を書くこと、ボタンをとめること、紐を結ぶこと、自転車に乗ること、などの日常動作を行うことができなかったり、同世代と比べて時間がかかったりします。
↓グレーゾーンの三男にはこんな「あるある」な特徴もありました。↓
わが家の三男も御多分に漏れず、これらのことは見事に苦手です。
できないと言った方がいいくらいです。三男は字を書くことが大の苦手で、漢字も書けません。靴紐は結べません。ほどけたままはいています。(しびれを切らしてわたしがむすびます・・・)中学校の時のダンスの授業は、あまりのできなさに三男も嫌になって、欠席したこともあります。ボールを使った運動は無理です。運動は走ることのみ。

単に苦手というレベルを超えて、日常生活にまで支障をきたす状態で、困難を感じるのが発達性強調運動障害と言えます。学校ではともすると「何もできないやつ」というレッテルを貼られてしまいかねません。自己肯定感を持てない原因にもなります。親はあまり子供を追い込まず、「大丈夫だよ、できなくてもいいし、そのうちできるようになるかもしれないから。」くらいのスタンスでいてあげましょう。
発達障害のお子さんが自転車に乗ることの難しさ

自転車に乗るためには、ペダルを倒れない速さでこぐ、ハンドルを持ってぶつからないようにする、周囲の様子に常に気を付ける、など、一度にやらなければならないことがとてもたくさんあります。発達障害、とりわけ発達性強調運動障害という特性を持つお子さんにとっては、これは至難の業であると言えます。
また、発達障害を持っていて、比較的体を使った動作が得意なお子さんであっても、問題となることはあります。自転車に乗ることはできても、それ以外の懸念点があるということです。
それは、注意力不足だったり、危険予知ができなかったりすることです。発達障害をお持ちのお子さんは、様々なことに注意を払ったり、これから起こりそうなことを予測したり、こうしたら危ないということを理解するのが苦手なことが多いです。
なので、信号を見ないで渡ったり、歩行者が突然飛び出てくることを予測できずにぶつかったり、後ろから来る車に気づかずに事故にあったりしてしまうことがあります。
このように、発達障害を持つお子さんが自転車に乗るということは、様々な問題があるのです。
自転車に乗れない子供の割合は?

自転車に乗れない子供の割合について、いくつかの調査結果が報告されています。
㈱アイデスの調査によると、小学1年生の時点でまだ自転車に乗れない子どもは13%以上いることが分かっています。
小学校入学時に自転車に乗れない子どもって結構いるんですね。(うちのグレ-ゾ-ン三男も乗れませんでした)
また、最近では自転車に乗れない子供が増えているというお話もあります。
この背景には、都市部での交通量の多さや公園の減少、屋内での娯楽の増加など、生活環境や生活スタイルの変化が影響しているようです。
自転車に乗れるようになる時期には個人差があり、バランス感覚の発達、転倒への恐怖心、練習環境の有無などが要因となっています。また、発達障害を持つ子どもの中には、運動面での協調運動やバランス感覚に難しさを抱え、自転車の操作に困難を感じている場合もあります。
調査結果から、小学校入学時点で10人に1人以上の子どもが自転車に乗れない状況にあり、その割合は環境や個人の状況によって変動していることが分かっています。
2.自転車に乗れることの重要性とその理由
では、そうした難しさがあるにもかかわらず、お子さんが自転車に乗れるようになってほしいと思うのはなぜなのでしょうか。それは、自転車に乗れることで得られるメリットが大きいからでしょう。実際にはどのような影響があるのかを考えてみましょう。
なぜ自転車に乗れるようになることが重要なのか
自転車が子どもの成長を促し、自信を生むから

自転車に乗れるようになることは、お子さんにとっては大きな課題です。大きな壁です。きっと何度も転ぶし、「もう嫌だ!」とへそを曲げることも一度や二度ではないでしょう。
それでもあきらめず、一歩一歩努力して、めでたく乗れるようになった時、お子さんは複雑な運動を一つクリアしたことになります。苦手な運動において、できることが大きく向上したことになります。
そしてこれが一番大きいと思うのですが、お子さんに「頑張ったらできた!」という自信と自己肯定感をもたらします。
発達障害をお持ちのお子さんは、この自己肯定感を持つことが難しかったりします。成功体験をなかなか積めないからです。いかんせん失敗の多い日々だと思います。褒められることは残念ながらあまりないでしょう。
そんな中で、頑張って努力したら自転車に乗れるようになったという事実は、お子さんにはとても大きな成功体験です。自分は頑張れるし、ちゃんとできる、と自信を持てるようになるのです。
学校の友だちと同じことがちゃんとできることが、発達障害のお子さんにとっては成長であり喜びですね。
社会性を高めるから

今お話した「学校の友だちと同じことができる」ということがポイントです。
発達障害をお持ちのお子さんは苦手なことも多く、同年代の友だちができることが同じようにはできないことも多いです。そうなると、一緒に行動することにもどこか引け目を感じたりして、集団から離れていってしまうこともあります。
学校の意義は同年代の子どもたちと一緒に行動できることにあります。様々な性格の友だちの中で、付き合い方や自分の出し方、譲ることなど、たくさんのことを学びます。せっかくその集団の中にいるのですから、そこから離れてしまうのはもったいないですよね。
「自転車に乗れる」というみんなと同じことができることは、集団で過ごすお子さんにとって大切なことです。学校という社会で過ごすお子さんが、その世界を狭くするリスクをひとつ減らすことができます。
また、単純に行動範囲が広がります。行動範囲が広がるということは、高校、専門学校、大学、就職先を選ぶときにも幅が広がります。お子さんの将来の居場所の選択肢が大きく増えるのです。自宅のすぐ近くに駅やバス停があればまだいいですが、そうでないとどこに行くにしても自転車に乗れないとかなり厳しいです。
行った先での新たな人間関係もお子さんの財産になります。それはまさしく社会の中で生きている証です。
道路が混んでいたらゆっくり進むこと、自転車をきちんと並べてとめること、いつも会う交通立ち番の人にあいさつすること、行った先での人間関係を大切にすること、そうした基本的な社会性が身についていくことでしょう。
3.発達障害の子どもが自転車に乗る際の課題と解決策
発達障害の子どもと自転車にまつわる課題
自転車に乗れないことのデメリット

自転車に乗れないということは、前述のように自己肯定感を高めたり、社会性を高める方法を一つ失うことになります。これは大きなデメリットですね。
せっかく仲のいい友達ができて、ちょっと遠くの公園まで自転車で行こうと言われても、一緒に行けなかったり、一人だけ走ってついていくなど、少々残念なことになってしまいます。ひいては友だちとの交流の機会が失われていくことにもなりかねません。
また、頑張ってできるようになったという成功体験を積むこともできなくなります。頑張れば結果が出ることを経験しにくく、自己肯定感を養いにくい発達障害のお子さんにとって、絶好の機会を失うことになります。「頑張る」ってこういうことなのかという実感も持てないままになってしまうかもしれません。
そしてどうしても行動範囲が狭くなりがちです。そうなると、将来の進路の選択肢も限られてきます。歩いていけるところ、バスが通っている所など、移動手段が重要になり、自分の希望する進路へは進めない可能性もあります。
そうなるとお子さんの住む世界も狭いままです。様々な年代の様々な性格の人びととの交流も望めないし、そういう人たちが作り上げる大きな社会も知らないままになってしまうかもしれません。
そういう事態を防ぐためにも、親御さんはお子さんに自転車に乗れるようになってほしくて四苦八苦するわけです。
自転車に乗ることで生じる様々な心配事

自転車に乗れることは様々なメリットをもたらしますが、当然いいことばかりとはいきません。
まず心配になるのはやはり事故です。
お子さんが被害者になることはもちろんですが、場合によっては加害者になってしまうことも考えられます。
特に発達障害を持つお子さんは、注意力にかけたり、衝動性があったり、自転車の運転そのものがあまり上手でなかったりします。そうすると、周りがよく見えずに人や他に自転車にぶつかってしまう可能性もあります。
仮に被害者になった時、最小限の被害ですむように必ずヘルメットをしてもらいましょう。
わたしの地域ではまだ高校生はあまりヘルメットを着けていませんが、わが家のグレーゾーンボーイの三男にはかぶってもらっています。幸い嫌がることはないのですが、帰りはめんどくさいらしく、カバンの中に入ったままで帰ってきます。行きだけだとしても、誰もが時間に追われている朝のこみあう時間だけでも、リスクは少し減らせると思っています。
被害者にも加害者にもならないように、日ごろからゆっくり走ること、信号を守ること、歩行者には特に気を付けること、などを言い聞かせることが大切です。
また、自転車保険には必ず入りましょう。加害者になってしまうと多額の賠償の必要が出てきます。そんなことがあってはならないのですが、一旦家の外に出たお子さんが、どのように行動しているのかは親には分かりません。何があっても対応できるように、保険は必須です。

また、行動範囲が広がることで、友だちと遠くまで出かけたはいいけれど帰り道が分からない、などということがあるかもしれません。迷子です。普通の高校生ならスマホのナビ機能や地図を見て帰ってくることができるのでしょうが、発達障害を持つお子さんには難しいことがあります。
わが家の三男はまさにそうです。
スマホを使うことはできるのですが、ナビを使っても今自分がどこを向いているのかも分からないし、地図なんてよめるはずがありません。幸い今のところ三男が決定的な迷子になったことはありませんが(帰りが遅く、理由を尋ねると軽く迷子だったということはありましたが・・・)、これから先もっと行動範囲が広がると、そういうことがあるかもしれません。
迷ってすぐに電話をしてくればいいのですが、そこはなぜかさまよってしまうようです。
「今どこ?」と聞いたところで三男には場所の説明はできませんが。なので、待ち合わせする時などは、今三男がいるところの写真を送ってもらっています。これも、地元ならできますが、出かけた先では私も分からないので無理なことですね。
迷子対策としてはやはりGPS機能を使うことでしょうか。わが家はやっていませんが。
なぜかと言えば、通信量がかかるから、何となく常に監視するような気がして気が引けるから、です。わが家は迷子については何の対策も取っていないので、帰りが遅い時は結構心配してしまいますね。
自転車の練習をする時に生じる課題と解決策

ただでさえ自転車の練習は大変なことです。親にとっても大きなミッションになります。
発達障害を持つお子さんにとってはその壁はとても高いものでしょう。通常発達のお子さんでも乗れるまでは苦労することも多いのですが、発達障害を持つお子さんにはその特性からも気を付けたいポイントがあります。
まず、不安が強かったり、怖がりだったりして、なかなかチャレンジしようという気持ちにすらならないかもしれません。その上、転んだり、上手く乗れなかったりするとネガティブな感情だけが残り、自信を無くしてしまうこともあります。わが家の三男もそうですが、新しいことにチャレンジするのは苦手で、ケガをすることをとても嫌がります。
対策として大切なのは、絶対に焦らないこと。乗るのは子どもです。
子どものペースや気持ちを第一にしてあげましょう。気持ちがのらない時は、自転車にちょっと触るだけでも良しとするくらいの余裕が必要です。

そして練習を始めてくれたら、ほんの少しのことでも褒めまくることです。
「今ちゃんと前見れたね。」「足、両方とも離れたね。」など、できていることを伝え、上手になっている実感を持ってもらいましょう。「あれ?ちょっと上手になった?」と思ってもらえたらしめたものです。
また、思ったことを言葉にすることが苦手なことも多いです。乗れるようになりたいけど、何が悪いのか分からない、いつまでも乗れなくてもう嫌だ、頑張りたいけどもう疲れた、いろんな感情をその時に合った言葉にできずに、かんしゃくを起こしたり泣き出してしまったりするかもしれません。
早目にお子さんの不穏に気づければ、「疲れた?」「こうするといいよ。」などと言葉で本人の気持ちを確認できるかもしれませんが、感情が爆発してしまったらいったん撤退ですね。この時も「でも、今日は右足の次に左足でこげていたよね。」などと何か一つほめてあげるといいですね。「あなたは頑張った。できることがまた増えたよ。」というメッセージを伝えてあげましょう。
お子さんがネガティブなイメージを持たないように、ここでも、泣けるほど頑張ったという事実を褒めまくるのです。

さらに、親がアドバイスをしても、お子さんにはよくわからないというパターンが考えられます。
具体的には「ペダルをこいで。」という言葉などです。「こいで、って何?」となるわけです。「ブレーキ!」もそうですね。「ブレーキをどうするの?」ということです。「ブレーキってどれ?」かもしれません。
お子さんにとっては初めての自転車です。どこをどう動かせばどうなるのか、未知のことだらけなのです。
これには、「右足のペダルを踏んだらすぐに左足のペダルを踏んで。」「これがブレーキ。ぎゅって握ると止まるからね。危ない時はぎゅっと握るんだよ。」噛んで含めるように、具体的に伝えてあげることが大切です。
お子さんに「それどういうこと?」と聞かれたら、ひとつひとつゆっくり答えてあげましょう。とにかく親の側のゆとりと気長に待つ気持ちが大切です。
わが家のグレーゾーンボーイの三男が実践した方法
グレーゾーンボーイのわが家の三男は、小学6年生まで自転車に乗れませんでした。
本人はまったく気にしていませんでしたね。わたしもさほど気にはしていませんでしたが、高校生になった時、自転車通学ができないと困るなあとは思っていました。だからといって、とても積極的に練習したかと言えばそうでもありませんでした。

あの~、、、
かなり練習したんですけど…。


三男が自転車につながった初めは、幼児さんが遊びで使うとても小さいペダルのない自転車のような乗り物です。親戚からいただいて、本当に遊びで乗っていました。
ペダルはないので足で地面をけって「シュー」と進むわけです。
補助輪はないので「シュー」とやっている間は二つのタイヤだけで走っていることになります。ほんの短い間ですが、既に自転車に乗っているとも言えますよね。これは、だいぶ長いこと使っていました。本人はとても楽しんでやっていましたが、知らぬうちにバランス感覚が養われていたのかもしれません。


同時に、近くの交通公園という所にいろんな種類の自転車があって、誰でも乗れるので、よくそこへ行っていました。ずっと長いこと補助輪のある自転車でクルクル走る日々。とても楽しそうでした。私は覚えてないのですが、この時ずっと旦那が隣を並走していたそうです。
その交通公園で補助輪付きの自転車で慣れさせて、三男の機嫌を取りながら補助輪のない自転車へ。この時も旦那がずっと横について励ましたりなだめたりしていたそうです。・・・私は覚えていませんが・・・。旦那のおかげで!!何度も転ぶこともなく、嫌になる前に乗れるようになりました。



あの~、、、
補助輪付きでも大変だったんですが…。


やっとのことで乗れるようになった時には小学校6年生になっていました。ちなみに小学5年生の時に自転車教室というものが学校であったのですが、三男だけ歩いて自転車をひいたそうです・・・。
このようにわが家の場合、実に6年以上の月日を費やしたことになります。長い。逆に言えば、練習といった練習はしなかったので、三男にも親にもストレスはありませんでした。



あの~、何度も言いますが、
結構大変だったんですが…。
先ほどから旦那が登場しておりますが、旦那曰く「とても大変だった!」そうです。わたしはいつもそばで見ていただけなので、他人事と思っていたようですね・・・。
わが家には、このように遊びながら(旦那なは苦行だったようですが)、ゆる~く自転車になれていくやり方がよかったようです。時間はかかりますが、こんなパターンもあります。
親ができること
- 発達障害・境界知能の子どもに親ができること
- 安心して練習できる環境を整え、気長にゆったりと待つ
- 発達障害のお子さんが安心して自転車に乗るための対策グッズ!


1.発達障害・境界知能の子どもに親ができること
お子さんの現在の段階を把握する
あなたのお子さんはどの段階でしょうか?


自転車の練習を開始するには、お子さんが今自転車に対してどういう思いを持っているのか、技術的にはどのような段階なのかを把握しておいた方がスムーズです。
自転車というものを知っていますか?乗りたそうですか?友達は自転車に乗っていますか?不器用なことは何ですか?
自転車を知らないなら実際に見せてあげて、こうやって乗るんだよと教えてあげましょう。乗りたくてもちょっとしり込みしているようだったら、「大丈夫だよ。お母さんも何回も転んだけど乗れるようになったからね。」と安心させてあげましょう。遠くまで行けるんだよ、楽しいんだよという言葉も忘れずに。
おだてられてその気になるタイプなら思いっきりおだて、とことん寄り添ってほしいタイプならここぞとばかりに寄り添って、親子だからこそ分かるあうんの呼吸を発揮する時です。
2.安心して練習できる環境を整え、気長にゆったりと待つ
練習ができる環境を整える


まずは安全に練習できる場所やきちんと整備された自転車は必須です。
公園なども小さなお子さんもいるので、注意が必要です。なので、公共の場所で練習する時は、親が周りの状況を終始見ている必要があります。お子さんの練習の様子だけでなく、周りへの配慮もお忘れなく。「今なら大丈夫、行け!」といった具合に、お子さんが自分の練習だけに集中できるようにしてあげましょう。
また、自転車のブレーキはきちんときくか、ハンドルは動くか、タイヤの空気は入っているか、サドルの高さはあっているか、確認しておきましょう。事前に親が一度乗ってみるといいですね。
ここでいう環境とは、そういったことばかりではありません。親が穏やかな気持ちで見守ってくれていること、応援してくれていることも、大切な環境です。
ゆっくりと気長に待とう


前述のとおり、わが家の場合は6年以上の月日がかかりました。真剣に練習すればもっと早くできたのかもしれませんが、結局わが家にはこのスタイルがあっていたと思います。
もっと短期で練習したいという場合も、あまりに急かせるのは考え物かと思います。もしかしたら今はそんなに乗りたい気分のときじゃないかもしれない、身長があと2センチ伸びたら何か変わるかもしれない(分かりませんが…)、親の思うタイミングと子どもの心のタイミングは一致しないことも多いですよね。
練習も一進一退でしょう。昨日はできても今日はできないかもしれません。でも焦らずに。そんな時でもとにかくほめて、自信と自己肯定感をどんどんあげてあげましょう。今日できなかったらまた違う方法でチャレンジです。乗れないのではなく、今は乗り方が分からないだけ、いろんな方法を試している時間だと伝えてあげましょう。
親の気持ちがお子さんには敏感に伝わります。じれったいこともあると思いますが、是非ゆったりと構えてあげてください。365日間できなくても、366日目には乗れるかもしれませんよ。(ドリカムかよ)
3.発達障害のお子さんが安心して自転車に乗るための対策グッズ!
発達障害のお子さんにとって自転車の安全対策は重要!
発達障害の子どもが、自転車に乗る際の注意点
発達障害には、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)など様々な種類があり、それぞれに特徴的な行動が見られます。
例えば、ADHDのお子さんであれば、注意散漫で周囲の状況に気づきにくかったり、衝動的に行動してしまうことがあります。ASDのお子さんであれば、感覚過敏で特定の刺激に強く反応したり、社会的なルールを理解するのが難しかったりするかもしれません。
自転車に乗る際には、これらの特徴が安全面に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、注意散漫な子は、車の接近に気づかず、思わぬ事故に遭うリスクが高まります。感覚過敏な子は、ヘルメットの感触が気になって乗り心地が悪く感じてしまうかもしれません。
事故のリスク
子どもにとって、自転車は楽しい遊びの一つですが、同時に事故のリスクも伴います。
特に発達障害がある子どもは注意散漫や衝動性といった特徴から、信号無視や飛び出しといった危険な行動をしてしまう可能性があります。
また、感覚過敏や協調運動の遅れから、バランスを崩して転倒するリスクも高まります。さらに、自転車道や道路の状況を正確に把握できず、他の車両との接触事故を起こしてしまう可能性も考えられます。これらのリスクを軽減するためには、適切な安全対策と、保護者の丁寧な指導が不可欠です。
自転車の安全グッズの種類と選び方・注意点
ヘルメットの選び方と正しい装着方法
ヘルメットを選ぶ際は、まず、お子さんの頭囲を測り、ぴったりとしたサイズを選ぶことが大切です。
SGマークなどの安全基準を満たしているか、軽量で通気性が良いかなども確認しましょう。デザインも、お子さんが気に入るものを選ぶことで、進んでヘルメットを着用してくれる可能性が高まりますね。
ヘルメットの正しい装着方法は、顎紐をしっかりと締め、眉毛の上あたりまで深くかぶることです。ヘルメットが頭部にぴったりフィットしているか確認し、頭を振ってもずれないようにしましょう。
ヘルメットは、万が一の転倒時に頭を保護し、重傷を防ぐために非常に重要です。発達障害のお子さんは、注意散漫や衝動性といった特徴から、思わぬ事故に遭う可能性が高いため、ヘルメットの着用は必須です。
また定期的にヘルメットの状態をチェックし、破損している場合は交換しましょう。また、汗や汚れが付着しやすいので、清潔に保つことも大切です。
その他の安全グッズ(膝当て、肘当てなど)
膝当て・肘当て
膝当てと肘当てはマストですね。
うちのグレ-ゾ-ン三男が自転車練習をする時は必ず使ってました。(小学校6年生まで)
特に小さな子どもや、バランス感覚がまだ安定していないお子さんには特におすすめです。衝撃を吸収し、擦り傷や打撲を防ぐ効果があります。選ぶ際は、お子さんの体格に合ったサイズを選び、しっかりと固定できるものを選びましょう。
反射材
夜間や薄暗い場所での走行時に、車のライトに反射して視認性を高めます。
補助輪
バランス感覚がまだ安定していないお子さんは、補助輪付きの自転車から始めることで、安心して練習できます。
自転車本体の選び方(安定性、補助輪の有無など)
サイズ
身長や体格に合ったサイズを選ぶことが大切です。小さすぎる自転車はバランスを取りにくく、大きすぎる自転車は操作性が悪くなります。
重量
子供が扱いやすい軽量なものを選びましょう。特に、初めて自転車に乗るお子さんの場合は、重すぎる自転車は負担になります。
素材
アルミフレームなど、軽量で丈夫な素材で作られた自転車がおすすめです。
補助輪の有無
バランス感覚がまだ安定していないお子さんは、補助輪付きの自転車から始めるのが一般的です。補助輪を外すタイミングは、お子さんの成長に合わせて判断しましょう。
ブレーキ
小さな手でも握りやすく、しっかりと効くブレーキを選ぶことが大切です。
サドル
お子さんの体格に合った高さに調整できるサドルを選びましょう。
デザイン
お子さんが気に入るデザインを選ぶことで、自転車に乗ることを楽しみます。
発達障害のお子さんへの配慮
操作性
ハンドルが軽く、スムーズに操作できる自転車を選びましょう。
安全性
反射材が付いているものや、フレームが柔らかい素材で作られているものなど、安全性を重視した自転車を選びましょう。
発達障害の子どもが自転車に乗れるようになるためのガイド まとめ
自転車を通じた子どもの成長をサポートしよう


発達障害を持つお子さんには苦手なことがたくさんあります。
中でも体のあちこちを使い、周囲のことにも注意しなくてはならない自転車の運転は難しく感じるお子さんも多いでしょう。自転車なんて乗りたくないというお子さんもいるでしょう。
それでも自転車に乗れれば、お子さんの世界は確実に広がります。自分の力で遠くまで行けるようになって行動範囲が広がり、交流も増え、そういった行動が自信にもつながっていきます。
また、頑張って練習したこと、何回も転んだけどあきらめなかったらちゃんと乗れるようになったことは、お子さんに努力することの意味を理解させ、達成感を得ることができます。頑張れた自分に対しての自己肯定感が格段に上がります。
これはお子さんにとっての喜びや成長ではありますが、親にとっても非常に大きな喜びです。
ひとつの目標に向かってお子さんと一緒になって頑張って乗り越えた経験は、そうあるものではありません。必死に応援してくれた親のことをお子さんは覚えていないかもしれませんが、自分には見方がいるという強い安心感と信頼は持ってもらえるのではないでしょうか。
自転車に乗れなかったからと言って、子どもの世界が広がらないなどとは思わないでください。
目指すのはお子さんの成長です。自転車の乗ることは一つの手段にすぎません。育てるのは親子の間の信頼と安心感。どうぞ気長に構えて、一歩一歩成長していくお子さんを見守って下さいね。


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高校生時代
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↓こちらは”専修学校各種学校連合会”についての記事です
↓何もできなくてもいい、たまには外へ出てあそんでみよう!↓
↓こちらは発達障害の子供と楽しみたい大阪万博の記事です↓


↓こちらの記事では大阪万博のおすすめ国内パビリオンを17選しています↓


出典:文部科学省公式サイトより
参考情報:わたしはダマサレナイ!!
金融広報中央委員会 知るポルト