今回のお話は、絵本と言えばこれでしょう、というくらいの名作、『100万回生きたねこ』です。本の対象年齢としては小学校低学年ですね。
このお話はどんな年齢の人の心にも小さなさざ波をたてます。そしてそのさざ波はずっと心に寄せ続け、様々な思いを生みます。自分ってなんだろう、幸せってどういうものなんだろう。
この本をよんで、お子さんとゆっくりお話してみませんか?
- 絵本『100万回生きたねこ』の魅力とあらすじを紹介します
- この『100万回生きたねこ』が伝える深いメッセージについて考察
- 読書感想文を書く際のヒントや具体例を書いています
- 発達障害や境界知能を持つお子さんへの読書のすすめ
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事(+ちょっと愚痴)などを通じて、少しでもグレーゾーンのお子さんを持つお父さん・お母さんのお役に立てるような記事が書ければと思っています。
この読書感想文の例文を活用して、文章を「書く価値がある」のでしょうか?
夏休みといえば頭が痛くなるのが「読書感想文の宿題」ですよね。
親が代筆してまで子どもの読書感想文を手伝う。などは私のグレーゾーンボーイの三男にも行っていました。
じゃあなんで読書感想文なんて書かなければいけないのでしょう。
まぁズバリ言ってしまえば「宿題」だからです。なので難しいことは抜きにして提出しなければならないものはさっさと提出できるように、この読書感想文の例文を活用して下さいね!
また小学生の子どもを持つ親御さんにとって、このブログの読書感想文を使って「書く価値がある」のかもいくつか考えてみました。
1. 子どもたちの参考となる、具体的な読書感想文
この読書感想文により、どのように文章を構成し、どのような内容を盛り込むべきかが明確になるため、子どもが読書感想文を書く際のサポート役として活用することができます。
2.子どもとママのストレス軽減
夏休みの宿題は子どもや親にとって大きなプレッシャーになることがあります。
特に読書感想文は、文章を書くのが苦手な子どもにとっては大きな負担です。子育て世代のママたちは子どものストレスを軽減し、楽しい夏休みを過ごさせたいという気持ちも強いですよね。
3. 忙しいママと子どもの時間を節約
忙しいママや子ども(子どもは暇かな?)にとって、読書感想文の書き方やアイデアを一から考えるのは大変です。
このブログに掲載された読書感想文を参考にすることで、時間を節約し、効率的に宿題を進めることができますよ。皆さんも時間を節約するために、このブログに訪れるかたも多いのではないでしょうか!
この読書感想文のブログ記事を掲載することで、多くのパパ・ママの手助けができ、子どもたちの学びがより充実したものになると考えています。
私の読書感想文が多くのパパ・ママにとって貴重な情報源となることを願っています。
お子さんに本をたくさん読んでもらいたいと思っている親御さんに、絵本定期購読がおすすめです
『100万回生きたねこ』のあらすじ&おすすめポイント
- 絵本『100万回生きたねこ』あらすじ 対象年齢4.5.6.7歳~
- 読みどころとおすすめポイント
- 登場する”ねこ”たちの魅力
絵本『100万回生きたねこ』あらすじ 対象年齢4.5.6.7歳~
りっぱなとらねこは100万回も生きました。100万回も死んだのです。いろんな飼い主の元で過ごすのですが、とらねこはどの飼い主も嫌いでした。好きなのは自分だけ。
でもある日、美しい白ねこと出会います。そして初めて自分以外を大すきになり、ずっと一緒にいたいと思います。
そして白ねこが死んでしまうと、とらねこはとても悲しみ、その後自分が死んでしまっても二度と生き返ることはありませんでした。
この『100万回生きたねこ』は、絵本作家の佐野洋子さんによって書かれた日本の絵本で、初版は1977年に出版されました。
物語は、大人も子どもも楽しめる深いテーマを持ち、死や生、自己の存在価値について考えさせられる一冊です。
読みどころとおすすめポイント
読みどころ 深いテーマ性
愛と喪失
物語では、ねこが様々な飼い主に愛される中で、真の愛を見つけるまでの過程が描かれていますね。
ねこが愛することの意味を理解し、愛することによって得られる喜びと、それを失ったときの悲しみは、読者に感情の深さを体験させます。
生と死
ねこが100万回も生き返るという設定は、生の儚さや死の意味を問いかけています。特に、最愛のメスねこを失ったときに、ねこが初めて「死」を受け入れるシーンは、読者に深い感慨を与えます。
美しい絵
絵本は、佐野洋子さんの温かみのあるイラストがとっても魅力的ですね。
シンプルながらも感情を豊かに表現した絵は、物語の重要な要素であり、視覚的な楽しさとともに心の動きを強く引き立てます。
言葉の選び方
短い言葉の中に深い意味を込めた文章が特徴的で、名言が多く含まれています。特に「愛すること」と「愛されること」の対比が巧みに表現され、子どもにも大人にも印象深く響きます。ちょっとむつかしいですかね…?
おすすめポイント 5つ
全世代向け
子どもから大人まで、誰もが共感できる普遍的なテーマが含まれており、家族で読んだ後にみんなで話し合うことにより、より深い理解が得られます!
感情教育
絵本は子どもの感情教育の重要なものであり、特に愛や喪失、自己認識について学ぶ良い機会を提供してくれます。教育現場でも活用され、子どもたちが自分の感情を理解する手助けとなりますよね。
絵本を通じた対話
読後のディスカッションを促進するため、登場人物の心情や物語のメッセージについて考えることで、親子や教師と生徒の間でのコミュニケーションが深まります。このような対話ができると、感情や価値観の理解を深めるために役立ちますよね。
文化的価値
この「100万回生きたねこ」は日本の絵本を代表する作品なんです。
なので、海外の読者にも日本の文学の魅力を伝える良い機会となっています。また、外国の文化を理解する手助けにもなっていますね。
視覚と聴覚の楽しみ
読み聞かせにも適しており、子どもたちが物語に引き込まれる音の響きやリズムを楽しむことができます。こういった読み聞かせは、親子の絆を深める素晴らしい方法ですね。
おすすめポイント総括
『100万回生きたねこ』は、深いテーマ性、美しい絵、心に響く言葉が特徴の絵本です。
愛や生と死の意味を考えるきっかけとなるこの作品は、全世代にわたって読み継がれる価値ある一冊です。ぜひ、家族や友人と共にこの絵本を手に取り、感動を共有してみてください。
登場する”ねこ”たちの魅力
とらねこ
100万回も生き返るとらねこは、最初は自分だけを愛する自己中心的な存在でしたが、白ねことの出会いを通じて成長し、他者を好きになることの大切さを学びます。
白ねこ
白ねこは、とらねこにとって初めての本当の愛情を教えてくれる存在です。彼女の存在が、とらねこの心を変え、物語に深い感動をもたらします。
読書感想文『100万回生きたねこ』例文
このおはなしは、100万回しんで100万回生きたとらねこのおはなしです。
どのかいぬしのことも大きらいだったけど、白いねこのことだけは大すきになりました。そして白いねこがしんだとき、このとらねこもしんでしまします。
なんでとらねこはかいぬしのことがきらいだったのかなあとおもいました。
どのかいぬしもきっととらねこのことをとてもだいじにしてくれていたはずです。かいぬしはいつもいっしょにいました。それに、とらねこがしんだときはとてもかなしくて、大きなこえでないています。
かわいがられるのはすきじゃないのかなあ。
だいじにしてくれたらうれしいとおもうけど。かいぬしのこと大きらいなんていわなくてもいいのに。とらねこのことをだいじにしていたかいぬしたちが、すこしかわいそうだなとおもいます。
あるときとらねこはだれのねこでもない、のらねこになりました。
このときのとらねこはとてもうれしそうです。だれのねこでもないじぶんが大すきだといっています。
とらねこは、だれかにかわれるのがいやで、ひとりになりたかったのかなあ。
ひとりですきなように生きていきたかったのかなあ。ひとりってきっとさみしいとおもいます。はなすあいてもいなくてつまらなそうです。
だれかにかわれていたときのとらねこと、ひとりになったときのとらねこって、ちがうところがあるのかなあと、ふしぎにおもいます。
だれかにかわれていても、じぶんのことがすきなきもちはかわらないとおもいます。じぶんのことはすきだけど、だれかにかわれているじぶんはきらい、ってことなのかなあ。どっちもおなじとらねこだとおもうけどなあ。
とらねこはいろんなねこに100万回しんだことをじまんします。
でも白いねこだけはあいてにしませんでした。とらねこはそんな白ねこのことが大すきになります。
どうしてとらねこは、じぶんのことをあいてにしてくれないような白ねこをすきになったのかなあ。
だいじにしてくれたかいぬしも、やさしくしてくれるねこもそばにいたのに。とらねこのきもちがよくわかりません。白ねこがとてもきれいだったからかなあ。
そして白ねこがしんでしまったとき、とらねこはずっとなきつづけました。100万回ないて、とらねこもしんでしまいます。
白ねこといっしょにいられて、とらねこはまいにちとてもしあわせだったんだとおもいます。大すきなあいてといっしょにいられる、しあわせなじかんをすごせたとおもいます。
白ねことであうまではしあわせなきもちもしらなかったし、白ねこがしんでしまうまではかなしいきもちもしらなかったんだとおもいます。
大すきな白ねこがしんでしまってほんとうにかなしかったとおもうけど、きっとてんごくでまたいっしょにいるとおもいます。だからとらねこはもういきかえらなかったんだとおもいます。
とらねこと白ねこがてんごくでもなかよくすごしてほしいです。
100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで,100万回も 生きたのです。
りっぱな とらねこでした。
100万人の 人が, そのねこを かわいがり, 100万人の 人が, そのねこが しんだとき なきました。
ねこは, 1回も なきませんでした。読むたびにちがう気持ちになる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。
●週刊朝日書評
「これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。」●日本経済新聞「こどもの本」書評
引用元:100万回生きたねこ(アマゾン)
「 このとらねこ一代記が、何を風刺しているかなどと考えなくても、すごいバイタリティーをもって生き、かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。上級から大人まで開いてみて、それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。飼い主へのつながりが無視され、前半と後半が途切れているようで、みていくとつながってくるふしぎな構成である。」
大切なこと
「読書感想文」を書くためには、まずは本(本物:現物・電子書籍)を一度は読んだ方がよいですね。
皆さんにこの「読書感想文」の記事を参考にして頂けることは、大変ありがたいと思っています。
しかし、本(本物)を読まずに、この読書感想文の記事だけをたよりに文章を書けば、皆さんの書く読書感想文の内容がチグハグになってしまうからです。
図書館で借りればOKなので、必ず本(本物)に触れて、読んでから読書感想文を書くことが大切ですね。
『100万回生きたねこ』が伝えたいこと
- 大切に思える人のいる幸せ
- 自分で選んだ人生は納得できるものになる
- ”愛している”が自己本位になってはならない
わたしがその昔読んだ時の主な感想は、「わがままなねこだなあ。」というものでした。でも時を経て読み返すと、すべてのページからたくさんのメッセージが感じられました。
自分が存在することの意味、何のために生きているのか、悔いのない人生ってどんなものなのか。この本はそんなことを考えるきっかけを与えてくれます。
大切に思える人のいる幸せ
とらねこは白ねこに会うまで、誰のことも好きではありませんでした。飼い主たちはとらねこのことを可愛がってくれたのに、まったく好きにはなりませんでした。
白ねこはとらねこのことをほめたりちやほやすることもありませんでしたが、とらねこは白ねこのことが大好きになります。
白ねこが本当はとらねこのことをどう思っていたのかは分かりません。でもそれはあまり問題ではなかったのですね。とらねこは初めて誰かを心から好きになった。そして大好きな人と一緒にいられたのです。
かつての飼い主たちが「好きだ、可愛い」と言ってくれても、まったく満たされることはなかったのです。
愛してもらうことよりも、自分が心から好きで大切だと思えるような存在に出会えることこそが、本当の幸せと言える、ということでしょうか。
自分よりも大切に思える人がいる。その人とともに生きている穏やかな充足感。
”自分が好きだから”というのはある意味自己本位でもあります。でもとらねこは好きになれる相手がいてくれることに、感謝の気持ちまで感じていたのではないでしょうか。
自分で選んだ人生は納得できるものになる
白ねこにで会う前、とらねこはいろいろな飼い主に飼われたペットでした。
100%自分の人生というわけではなく、飼い主の人生の一部分だったわけです。戦場になんて行きたくなかったし、手品もやりたくなかったし、子どもの相手もしたくなかったのです。でも、飼い主の都合と自分勝手な考えで振り回される毎日でした。そんな生活は嫌に決まっていますね。
のらねこになったとらねこは、初めて自分の好きなように生きることができました。その中で出会った白ねこを大切に思い、共に過ごすことができた。初めて自分の意志で生き方を決めたわけです。
白ねことの生活はとても満たされたものだったでしょう。だからこそ、もう生き返る必要がなかったのですね。死んでも白ねこと一緒にいられたでしょうしね。
”愛している”が自己本位になってはならない
とらねこの飼い主たちは、みんなとらねこのことを可愛がっていました。
でも、とらねこの気持ちは考えてなかったのです。ただ自分のそばに置いておきたかった。戦場へ連れ出して死なせてしまったり、手品に失敗して死なせてしまうなんて、とらねこにとっては全く迷惑でしかありません。
少し考えれば、そんな危険な目にあわせるなんてこと、本当に大切に思っていればできないはずです。自分が少し寂しくても、安全なところでゆっくりしていてほしいと思うはずです。
自分の気持ちなんて考えてくれない飼い主たちを、とらねこが好きになるはずがありませんね。
どれだけ相手の気持ちを思いやれるか。自分のことよりも相手のことを大切に思えるか。
”愛している”は自分が思う気持ちですが、相手がいてくれて初めて成り立つ気持ちです。そういう相手がいてくれることに感謝する気持ちも大切ですね。
↓いろんな本にふれる機会があるといいですね! ↓
読書感想文『100万回生きたねこ』あらすじと伝えたいこと まとめ
今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200文字)
例えば、戦場にねこを連れていって死なせてしまった王様に対しては、そんなところに連れていくなんてひどい、とか、ねこが死んで悲しくて戦争をやめるくらいなら、最初から人がたくさん犠牲になるような戦争をしなければいいのにとか。
手品でねこを死なせてしまった手品つかいに対しては、そんな危ない目にあわせるなんて、信じられない、とか。
このとらねこ、人間の都合に合わせられていますね。そりゃあ飼い主のことを好きになれなくても無理はないですよね。
きっとお子さんとは違った感想が出てくると思いますが、当然、お子さんの感想を採用した方がいいと思います。見えていることだけから感じる子どものまっすぐな感想を大切に。
でも、絵本てすごいですよね。
たくさんの絵と多くない言葉でいろんな人にいろんな感情を起こさせる。あれこれ語れば逆に本当に言いたいことはぼやけてしまって、魅力のない文章になってしまうのかもしれません。
限られた言葉で、話の本質を伝え、それ以上の感情を起こさせる。すごい。
↓こちらは夏休みの詩の宿題です
↓ここから下は夏休みの読書感想文です
出典 文部科学省 これからの時代に求められる国語力について