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読書感想文『ごんぎつね』 あらすじ・伝えたいこと

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あらすじと今回の記事を簡単にお話します

今回のお話は『ごんぎつね』。教科書にも採用されている新見南吉の作品です。

ごんは一人ぼっちの狐。いたずらばかりしていました。

ある日ごんは兵十がつかまえたうなぎを盗んでしまいます。その数日後、兵十の母親が死んでしまいます。ごんは「兵十は母親のためにうなぎをとったんだ。そのうなぎを自分が盗んでしまったから母親は食べられなかった。だから死んでしまったんだ。」と考えます。

ごんはつぐないのため、いわし屋からいわしを盗んで兵十の家へ投げ込みます。しかし兵十が盗んだと思われ、ひどい目にあってしまいます。

そこで次からは自分で山から栗を拾って、兵十の家へ届けるようにします。毎日毎日。

そんなある日、兵十は家に入っていくごんを見つけます。またいたずらをしに来たと思った兵十は、銃でごんを撃ってしまいます。しかしすぐに栗がたくさん置いてあることに気づき、ごんに「お前だったのか。」と声を掛けます。ごんはぐったりしたままうなずきました。

お話の最後の『青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。』という言葉と静かな絵が、後悔、憐れみ、切なさ、いろんな感情を生み出します。

うちの三男、グレーゾーンボーイです。

私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。

家族:だんな 定年間近の会社員
  長男 大学生 勉強が大好き
  次男 大学生 自由が大好き
  三男 高校生 ウルトラマン大好き

三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。

このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。

読書感想文のイラスト
読書感想文は息子には本当にむりでした。

お子さんに本をたくさん読んでもらいたいと思っている親御さんに、絵本定期購読がおすすめです

目次

読書感想文『ごんぎつね』 例文

以下感想文です。

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兵十にじゅうでうたれて死んでしまったごんはかわいそうですが、うってしまった兵十もかわいそうでした。
ごんをうってしまったあとで、くりをとどけてくれていたのがごんだったと知り、とてもこうかいしたと思います。
でも、その時の兵十にはごんはいたずらばかりする悪いきつねだ、という思いしかなかっただろうから、しかたなかったのかもしれません。

いたずら者のごんは兵十がとったうなぎをぬすんでしまいます。その後、兵十のお母さんが死んでしまったのは、自分がうなぎをぬすんでしまって、食べられなかったからだと思い、つぐないをしようと考えます。

はじめはいわし屋のいわしをぬすんで、兵十の家に投げこみました。
そのせいで兵十はひどい目にあいます。ぬすんだ物をもらってよろこぶ人がいるはずありません。そんなことをしたらもらった人がうたがわれること、すぐにわかりそうなのに、ごんはもう少し考えたほうがよかったと思います。何でもいいからあげればいいわけではありません。

それからは自分で山からとってきたくりをとどけるようにしました。
毎日わすれずにとどけるのはたいへんだったと思います。でも、投げ出さずに続けたごんは、よっぽど反省していたのだろうと思います。それに、自分と同じように一人ぼっちになってしまった兵十に、少しでも元気になってほしかったんだと思います。
一人のさみしさはじゅうぶん知っているから、何とかはげまして、一人じゃないよと言ってあげたかったのかもしれません。

ある日、兵十が加助に毎日くりがとどく話をします。すると加助が「神様がめぐんでくださっているから、神様にお礼を言うがいい。」と言います。それをきいたごんは「ひきあわないなあ。」となっとくできないようでした。

ごんがくりをとどけているのはつぐないのためで、兵十にかんしゃされるためではないはずです。
「ひきあわないなあ。」なんて言っているのは心からのつぐないにはなっていないと思います。自分が悪かったと思ったから、反省してつみほろぼしをしているのに、お礼を言ってほしいとか思うのは少しまちがっていると思います。
そういう気もちがごんの中にあったから、さいごにうたれて死んでしまうような悲しいことになってしまったんだと思います。

兵十にしてみれば、ごんはいたずらばかりするきつねだというイメージしかありません。
だからまさかごんがくりをとどけてくれているなんて思いもしません。悪いイメージはかえるのがむずかしいと思います。兵十もごんは悪いことしかしない、と思いこんでいたのです。思いこんでいるから、本当のことをかくにんする前にじゅうでうってしまったのです。
ごんに「何をしていたんだ。」ときいていたら、ごんは死なずにすんだし、兵十もこうかいせずにいられたと思います。

ごんがさいしょからきちんと口に出してあやまっていたらちがっていたかもしれません。
でも、ごんはくりをとどけていたのが自分だとさいごにわかってもらえて、少しは気がはれたと思います。それでもこんどは兵十がずっとつみのいしきをせおっていってしまうとも思います。

なんだか、2人ともがかわいそうなお話でした。

『ごんぎつね』 新美 南吉 (著), いもと ようこ (イラスト) 金の星社より

『ごんぎつね』で伝えたいこと

図書館でお勉強
作者が伝えたことって何なんでしょうか・・・?

罪の償いとはどういうことか

ごんは自分がウナギをとったから兵十の母親が死んだと思い、兵十に罪滅ぼしをしようとします。しかし最初は盗んだいわしを届けたり、兵十が神様にお礼をしようとすると、「ひきあわないなあ。」と思ったりします。

まず当然、何かをあげれば償いになるわけではないし、盗んだものなんてもってのほか。自分の行為が分かってもらえないからといって、割に合わないと考えるのも違いますね。

するべきことは、心からの謝罪を相手にわかるようにきちんと伝えること。伝えたところで相手が許してくれるとは限りません。だとしても、誠意をもって謝罪の気持ちを伝え続けることが大切です。「こんなに謝っているのに。」という気持ちもお門違いです。

仮に許されれば自分は肩の荷がおりた気持ちになるかもしれませんが、相手の傷は癒えているわけではない可能性があります。罪を償うということは、自分が犯した罪を忘れずに、背負っていく覚悟をする、ということかもしれません。

罪の償い
罪の償いとはなんでしょう・・・。

悪い印象は変えにくい

ごんはいたずらをしていても悪いことをしているとは思っていなかったかもしれません。一人ぼっちでつまらないからちょっと面白いことをしようという軽い気持ちだったのかもしれません。ただそれは村人にとっては迷惑なことでしかありませんでした。

そんなごんが毎日栗を届けてくれていたなんて、思いもしなかったとしても無理はありません。たとえ「これから毎日栗を届けます。」と表明したとしても、「何か悪だくみをしているのではないか。」と勘繰られたりして、なかなか信用してもらえないでしょう。

一度ついてしまった悪いイメージを変えることは困難です。

そうならないよう、相手の立場に立った言動をとることを、常に心掛けることが大切です。どうして兵十がうなぎをとっていたのか、盗んだいわしをあげたら兵十がどんな目にあうか、少しだけ考えることができていたら、ごんは死なずにすんだかもしれません。

イメージのイラスト
良いイメージなら良いのですが、、、悪いイメージは。。。

思い込みや恨みからの衝動的な行動はしない

思い込みや恨みは時に間違った行動につながります。特に恨みの感情は冷静な判断の邪魔をします。また、「これはこうだ。」と思い込むのには、それ相当の根拠があります。しかしそれが100%正しいかというとそうではない。自分からは見えない部分があるかもしれません。

思い込みや恨みを持ってはいけないということではありません。ただ、何かを判断する時、そういう感情をいったん脇に置き、違う角度から考えることが必要だと思います。

思い込みと恨みにかられた兵十は、ごんを失ったことでさらなる悲しみと後悔を抱えて生きていくことになってしまいました。先に家の中を確認していれば、ごんと兵十は友達になれたかもしれません。

恨みのイラスト
思い込みや恨みはおそろしい・・・。

↓いろんな本にふれる機会があるといいですね! ↓

今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200文字)

一人ぼっちのごんが、おそらくは寂しさを紛らわすためにしていたいたずらの数々。
それが原因で命を落とすことになってしまう。
素直に「ごめんなさい。」と言えていれば、状況は変わったのでしょうか。空回りしたごんの気持ち。銃の筒口からのぼる青い煙。ごんの贖罪の気持ちは今度は兵十が背負うことになってしまったようです。

このお話は小学3~4年生の教科書に採用されています。なので、なかなかに難しいテーマがあります。ですがあまり考えこまずに「ごんは ”栗をとってきているのはじぶんだ” と最初から言えばいいのに。」とか、「確かにごんはいたずらばかりしていたけど、いきなり銃で撃ってしまうのはひどい。」といった感想もいいと思います。

「どうして~しなかったのか。」というちょっとしたボタンの掛け違いが、このお話の悲しい結末を生んだのですね。

お話する女性
小学校の低学年生にはちょっとむずかしいでしょうか。
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発達障害の支援施策についていろいろ調べたい方はこちら

出典 厚生労働省 発達障害者支援施策の概要
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