今回のお話は『さっちゃんのまほうのて』。あらすじや読書感想文の例文、伝えたいことなどをご紹介しています。
対象年齢は小学校低学年(1~2年生)です。
さっちゃんは先天性四肢障害を持って生まれ、右手の指がありません。
元気に活発に幼稚園で過ごすさっちゃんですが、「さっちゃんはおかあさんになれないよ!だっててのないおかあさんなんてへんだもん。」と友達に言われてしまいます。
自分の手が他の子と違うとは思っていても、そこまで気にはしていなかったかもしれないさっちゃんですが、この言葉を受けて自分には障害があるということを自覚します。
さっちゃんは、自分の手は指がないままであることを知ってショックを受け、悲しみにくれますが、両親や友達、先生の優しさに触れることで、自分の手を受け入れ、また自信を取り戻していきます。
幼いさっちゃんの涙は、どうすることもできない、誰も悪くないことが明白であるため、やるせなく人々の心を締め付けます。
それでもさっちゃんは、強く、しなやかな心を身につけて成長していく、そんなお話です。
- さっちゃんが自分の障害を受け入れ、成長していく姿
- さっちゃんを見守る両親の深い愛情
- 障害を持ち、周りの理解を得ながら生きていくことの難しさ
この辺りが見どころであり、感想文を書く時のポイントにもなりますね。
うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
この読書感想文の例文を活用して、文章を「書く価値がある」の?
夏休みといえば頭が痛くなるのが「読書感想文の宿題」ですよね。
親が代筆してまで子どもの読書感想文を手伝う。などは私のグレーゾーンボーイの三男にも行っていました。
じゃあなんで読書感想文なんて書かなければいけないのでしょう。
まぁズバリ言ってしまえば「宿題」だからです。なので難しいことは抜きにして提出しなければならないものはさっさと提出できるように、この読書感想文の例文を活用して下さいね!
また小学生の子どもを持つ親御さんにとって、このブログの読書感想文を使って「書く価値がある」のかもいくつか考えてみました。
1. 子どもたちの参考となる、具体的な読書感想文
この読書感想文により、どのように文章を構成し、どのような内容を盛り込むべきかが明確になるため、子どもが読書感想文を書く際のサポート役として活用することができます。
2.子どもとママのストレス軽減
夏休みの宿題は子どもや親にとって大きなプレッシャーになることがあります。
特に読書感想文は、文章を書くのが苦手な子どもにとっては大きな負担です。子育て世代のママたちは子どものストレスを軽減し、楽しい夏休みを過ごさせたいという気持ちも強いですよね。
3. 忙しいママと子どもの時間を節約
忙しいママや子ども(子どもは暇かな?)にとって、読書感想文の書き方やアイデアを一から考えるのは大変です。
このブログに掲載された読書感想文を参考にすることで、時間を節約し、効率的に宿題を進めることができますよ。皆さんも時間を節約するために、このブログに訪れるかたも多いのではないでしょうか!
この読書感想文のブログ記事を掲載することで、多くのパパ・ママの手助けができ、子どもたちの学びがより充実したものになると考えています。
私の読書感想文が多くのパパ・ママにとって貴重な情報源となることを願っています。
絵本『さっちゃんのまほうのて』あらすじ
さっちゃんの幼稚園ではままごと遊びが盛んです。
でも、お母さんになるのはいつも背の高いみよちゃんかまりちゃんです。さっちゃんはたいてい妹か赤ちゃん。さっちゃんは一度でいいからお母さんになってみたいのです。
だからある朝、けいこ先生が「今日のお母さんは誰ですか?」と言った時、「あたし おかあさんになる!」と言ってとびだしました。
そしてまりちゃんとけんかになってしまいます。その上まりちゃんに「さっちゃんはおかさんになれないよ!だって てのないおかあさんなんて へんだもん。」と言われてしまいます。怒ったさっちゃんはまりちゃんに飛びかかり、まりちゃんもさっちゃんの髪の毛を引っ張ります。けいこ先生があわてて止めに入ると、さっちゃんは幼稚園を飛び出してしまいました。
家に帰ったさっちゃんはお母さんに「どうしてみんなみたいにゆびがないの?」と聞きます。
するとお母さんは「さちこはおなかのなかでけがをしてしまって ゆびだけどうしてもできなかったの。」と言いました。さっちゃんは「しょうがくせいになったら みんなみたいにはえてくる?」ともう一度お母さんに聞きます。お母さんは「さちこのては ずっといまのままよ。」と答えます。
さっちゃんの目にあふれる涙。お母さんの目からも涙があふれていました。
次の日からさっちゃんは幼稚園を休みます。
そして、お母さんに赤ちゃんがうまれます。
さっちゃんはお父さんといっしょに病院へ行きます。その帰り道、さっちゃんはお父さんに言いました。「おとうさん さっちゃん ゆびがなくても おかあさんになれるかな。」お父さんは「なれるとも さちこはすてきなおかあさんになるぞ。」と言いました。そして「さちことてをつないでいると ふしぎなちからがさちこのてからやってきて おとうさんのからだいっぱいになるんだ さちこのてはまほうのてだね。」とも言ってくれました。
次の日、あばれんぼうのあきら君がさっちゃんの所へやってきます。
そして、ハートの形のチョコレートの入った紙包みを「これあげる。」とさっちゃんに渡します。しばらくして、けいこ先生もやってきます。けいこ先生はさっちゃんにたなばた様の劇でさっちゃんにお星さまになってほしいとお願いしました。
その日の夜、さっちゃんは「あしたはようちえんにいくんだ。」と思います。そしてジャングルジムにのぼって、上から「ヤッホー!」と手を振るつもりです。
次の日、幼稚園でジャングルジムにのぼるさっちゃんを心配するみんなですが、さっちゃんは「へいき!だってさっちゃんのては まほうのてだもん!」と答えました。
読書感想文 絵本『さっちゃんのまほうのて』例文
絵本『さっちゃんのまほうのて』小学校低学年向け(1~2年生)
さっちゃんの右手には指がありません。
はしや鉛筆は左手で持っているのかな。きっと不便なことも多いと思います。考えてみると、服を着たり、ボタンをとめるのも大変そうです。でも、さっちゃんはうまれた時からその手だから、もしかしたらどんなこともあまり気にせずにできるのかもしれません。
そうだったらさっちゃんはすごいなと思います。
わたしは手の指をちょっとケガしてばんそうこうを貼ったくらいで、何となく指が動かしにくくなってしまいます。さっちゃんの不自由さはそんなものじゃないだろうに、きっと誰にも助けてもらわずに、いろんなことをやっているのです。だから、さっちゃんの手はうまれた時からずっと「まほうのて」だと思います。
さっちゃんに「おかあさんにはなれないよ!だって てのないおかあさんなんて へんだもん」と言ったまりちゃんはひどいです。
一緒になって「そうよ!」と言ったゆきちゃんやなおこちゃんもひどいです。さっちゃんの手のことは悪く言ってはいけないと思います。さっちゃんのせいではないからです。自分では変えられないことを悪く言われたら、わたしだったら何も言いかえせないと思います。
相手が気にしていることや、見た目のことを悪く言うのはやめた方がいいです。
相手が絶対傷つくからです。自分が同じように言われたら、すごく嫌な思いをするはずです。自分が言われたりされて嫌なことは、相手にも言ったりしてはいけないと思います。
さっちゃんに「しょうがくせいになったら さちこのゆび みんなみたいにはえてくる?」と聞かれたお母さんもとてもつらかっただろうなと思います。
お母さんはさっちゃんに「さちこのては ずっといまのままよ。」と言います。そんなこと言ったら、さっちゃんがとても悲しむことは分かっていても、本当のことを言わないといけなかったんだと思います。
まりちゃんが言ったことも、お母さんが言ったことも、どちらもさっちゃんを傷つけます。
まりちゃんは言ってはいけなかったけど、お母さんは言わないといけなかったのです。この違いは何だろうと思いました。まりちゃんはけんかに勝ちたくて、やっつけてやろうと思っていったけど、お母さんはさっちゃんのことを考えて言ったところが違うのかなと思います。さっちゃんにうそを言っても、うそだと分かった時にまたさっちゃんが傷ついてしまうかもしれません。
でも、さっちゃんには優しいお父さんとお母さんがいるから、頑張っていけると思います。
お父さんが「さちこのてはまるでまほうのてだね。」と言ってくれて、さっちゃんはとても嬉しかったと思います。それまで嫌いだった自分の手を、少しは好きになれたと思います。さっちゃんの手はみんなと違う手じゃなくて、誰よりも特別な手に変わりました。だから最後にジャングルジムで元気に遊んでいるさっちゃんは、とても明るくて自信満々です。
わたしの周りには手の指がない人はいません。
だから、そういう人がどんなふうに生活していて、どんなふうに思っているのか、あまり想像できません。もしかしたら目に見えないけれど困っていることがある人もいるかもしれません。だから、いつも優しい気持ちでいたいなと思いました。
絵本「さっちゃんのまほうのて」が伝えたいこと
- 障害を受け入れ、成長するさっちゃんの姿
- 子どもの正直さは人を傷つけることがある
- 想像力を身に着けることが大切
- 言葉一つで変わる人の気持ち
障害を受け入れ、成長するさっちゃんの姿
まだ幼稚園児のさっちゃんは、指のない自分の手をどのように思っていたのでしょうか。そのうちはえてくるの?ずっとこのまま?幼いながらも、みんなと違う自分の手に、モヤモヤとした思いを抱えていたことでしょう。
それがまりちゃんの「おかあさんにはなれないよ! だって てのないおかあさんなんて へんだもん。」の言葉であらがうことのできない現実を突きつけられます。
お母さんからも、さっちゃんの手はずっとそのままだということを聞き、どれだけつらく、悲しい思いをしたことでしょう。
それでも、お母さんからは「あなたが大好き。」と、お父さんからは「さちこのてはまほうのてだ。」と愛情あふれる言葉をもらい、あきら君のぶっきらぼうな優しさやけいこ先生の気遣いにも励まされ、さっちゃんは笑顔を取り戻していきます。
さっちゃんの手に指がないのはさっちゃんのせいではありません。そして他の誰のせいでもありません。さっちゃんはその手で生きていくしかありません。
自分の手を「まほうのて」だと思えたさっちゃんは、自分の手を受け入れ、共に生きていく気持ちを持ち始めることができたようです。幼いのに、立派な成長ぶりです。
子どもの正直さは人を傷つけることがある
ままごとでのお母さん役の取り合いでけんかになったまりちゃんとさっちゃん。けんかの勢いでまりちゃんは「てのないおかあさんなんてへん。」と言ってしまいます。
これはまりちゃんが特別ひどいわけではないと思います。例えば背の低い子に「チビ」と言ったり、前髪を切りすぎた時に「前髪、へん」と言ったりするのと変わらないのです。相手が気にしていそうなこと、へこみそうなことを言ってくるのです。けんかですから。負けるわけにはいきません。
まりちゃんの言葉でさっちゃんはとても傷つきました。”背が低い”とは異なるレベルの、自分の手のみんなとの違い。さっちゃん自身その違いを感じていたから、心の傷はより深いものになってしまいました。
子どもの目、考え方、言葉は正直です。見えたままを、疑問に思ったことを、そのまま口にします。それを言うと相手がどう思うかは考えません。なので、まりちゃんがさっちゃんを深く傷つけてしまったようなことも起こります。
同時に隠れている、隠そうとしている問題を白日の下にしてくれることもあります。
まりちゃんの言葉は褒められたものではありませんが、これをきっかけにさっちゃんが大きく成長することができたとも言えます。
想像力を身に着けることが大切
まだ幼稚園児では難しいことかもしれませんが、相手の気持ちを想像することが大切です。
こんなことを言ったら相手がどう思うのか、少し先回りをして考えることができると、トゲのある発言をしなくてもすみます。
少し踏み込んで、自分がさっちゃんだったかもしれない所まで想像できると、いいろんな感情がわいてくるはずです。自分だったらさっちゃんみたいに明るくしていられない、とか、あれもできない、これもできない、と思ってしまいそうだ、とか。
それができると、相手をリスペクトする気持ちがうまれ、その人との関係を大切にしようという気持ちもうまれるでしょう。
言葉一つで変わる人の気持ち
言葉は時に重く人を傷つけ、時に大いに人を励ますことができます。
そして、傷つける言葉を発するのは割と簡単です。その時の感情や勢いで、強い言葉が出てしまうことがあります。
一方、人を励ます言葉は意外と難しいのです。さっちゃんのお父さんのような、相手の気持ちにすっと入り込めるような励ましの言葉は、なかなか出てきません。でもさっちゃんは、お父さんの一言で確実に自信を取り戻したのです。言葉の持つ力ですね。
私など、あれこれ考えすぎて、人と会話するのが苦手です。これを言ったらどう思うだろうとか、こんなこと言われたくないよな、などと考えすぎて、言葉が出てこないのです。これは、相手のことを考えているというより、自分を守っているだけなので、あまりよくありませんね。こんな風に必要以上に考えすぎることはありませんが、特に感情的になった時は、3秒待ってから言葉を発するようにしましょう。その一言、とがってはいませんか。
絵本『さっちゃんのまほうのて』読書感想文とあらすじのまとめ
今回も400字詰め原稿用紙3枚分です。(1200字)
「しょうがくせいになったら、さっちゃんのゆび、みんなみたいにはえてくる?」と聞いたさっちゃん。「さちこのてはずっといまのままよ。」と答えたお母さん。2人の気持ちを思うと本当につらいですね。自分の子どもに聞かれたら、さっちゃんのお母さんのようにきちんと伝えられるだろうか、と頼りない自分のメンタルにあきれます。
あなたがかわいい、あなたが一番大切。それを言葉で伝えても、子どもにしたらどうしても満たされない思いがあることもあるでしょう。
だとしても、親はゆるぎなく、あなたが一番大切だと伝え続け、子どもが安心していられる場所であり続けたいですね。
病院でうまれたばかりの弟に会い、その指が5本きれいにそろっているのを見て、さっちゃんはきっと複雑な思いだったと思います。どうして私だけ、とやりきれない気持ちでいっぱいだったのではないでしょうか。
そんな病院からの帰り道で、お父さんが明るく「だれにもまけない おかあさんになれるぞ さちこのては まるでまほうのてだね。」とさっちゃんにかけた言葉が秀逸ですね。変に深刻にならず、さっちゃんの不安を”そんなこと”くらいで吹き飛ばしてくれました。もちろんお父さんにも考えるところはたくさんあるはずです。それを踏まえてのこの対応と発言はなかなかできないことだと思います。
一度は深く傷ついたさっちゃんですが、みんなの優しさや愛情に囲まれて再び自信を取り戻し、自分から「さっちゃんのてはもほうのてだもん!」と宣言するまでに成長します。さっちゃんの中で自分の手は”みんなと違う”から”まほうのて”に変わりました。
お子さんに本をたくさん読んでもらいたいと思っている親御さんに、絵本定期購読がおすすめです
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出典 文部科学省 これからの時代に求められる国語力について