今回のお話は『賢者のおくりもの』。
あらすじや読書感想文の例文、伝えたいことなどをご紹介しています。対象年齢は幼児からですが、話の意味が分かるのは小学校に入ってからのように思います。
『最後の一葉』と並ぶ、O・ヘンリーの不朽の名作です。
貧しいながらもお互いのためにプレゼントを贈りたいと考える若い夫婦。自分の大切なものと引き換えにしても、相手に喜んでもらいたいと考えました。しかし、結局はお互いにすぐには使えないプレゼントになってしまいます。
けれど、お互いを思う気持ちを確認することができ、最高のクリスマスを迎えられたことでしょう。
俗世に生きるわたしなどは「無理にプレゼントすることないんじゃない?」とも思ってしまうのですが、ここにはキリスト教の思考”自己犠牲”という心があるのです。
2人の尊い心。ただただ相手を思う愛情。寒い季節にぴったりの、心が温まるお話です。
- お互いを大切に思いあう2人の愛情の深さ
- 物の価値を越える精神的な豊かさ
- 2人が受け取った最高のクリスマスプレゼントとは・・・
この辺りが見どころであり、読書感想文を書く時のポイントにもなりますね。
「賢者の贈り物」は、クリスマスの定番として愛される名作です。
お子さんが読むのはとても素晴らしいのですが、実は大人になって読み返すと、新たな発見がある物語です。この記事では、小学生向けにわかりやすくあらすじを解説し、読書感想文の例文もご紹介します。
では、クリスマスを前に、贈り物って何なのか、この本を読んで考えてみるのはいかがでしょうか。
うちの三男、グレーゾーンボーイです。
私は地方在住の50代。子どもの教育に関わる仕事を週2回ペースでしている”つつじ屋”といいます。
家族:だんな 定年間近の会社員
長男 大学生 勉強が大好き
次男 大学生 自由が大好き
三男 高校生 ウルトラマン大好き
三男は発達障害グレーゾーンで境界知能の持ち主です。
このブログでは、この三男にまつわるエピソードや困り事などを、グチ多めでつづっていきたいと思っています。よろしくお願いします。
この読書感想文の例文を活用して、文章を「書く価値がある」の?
夏休みといえば頭が痛くなるのが「読書感想文の宿題」ですよね。
親が代筆してまで子どもの読書感想文を手伝う。などは私のグレーゾーンボーイの三男にも行っていました。
じゃあなんで読書感想文なんて書かなければいけないのでしょう。
まぁズバリ言ってしまえば「宿題」だからです。なので難しいことは抜きにして提出しなければならないものはさっさと提出できるように、この読書感想文の例文を活用して下さいね!
また小学生の子どもを持つ親御さんにとって、このブログの読書感想文を使って「書く価値がある」のかもいくつか考えてみました。
1. 子どもたちの参考となる、具体的な読書感想文
この読書感想文により、どのように文章を構成し、どのような内容を盛り込むべきかが明確になるため、子どもが読書感想文を書く際のサポート役として活用することができます。
2.子どもとママのストレス軽減
夏休みの宿題は子どもや親にとって大きなプレッシャーになることがあります。
特に読書感想文は、文章を書くのが苦手な子どもにとっては大きな負担です。子育て世代のママたちは子どものストレスを軽減し、楽しい夏休みを過ごさせたいという気持ちも強いですよね。
3. 忙しいママと子どもの時間を節約
忙しいママや子ども(子どもは暇かな?)にとって、読書感想文の書き方やアイデアを一から考えるのは大変です。
このブログに掲載された読書感想文を参考にすることで、時間を節約し、効率的に宿題を進めることができますよ。皆さんも時間を節約するために、このブログに訪れるかたも多いのではないでしょうか!
この読書感想文のブログ記事を掲載することで、多くのパパ・ママの手助けができ、子どもたちの学びがより充実したものになると考えています。
私の読書感想文が多くのパパ・ママにとって貴重な情報源となることを願っています。
『賢者のおくりもの』あらすじ&おすすめポイント
- 『賢者のおくりもの』あらすじ
- お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント
『賢者のおくりもの』あらすじ
ある街にジムとデラという若い夫婦がいました。2人は貧しかったのですが、自慢できるものがありました。夫のジムの金時計と妻のデラの栗色の長い髪です。
明日はクリスマスです。デラはジムにプレゼントを買うために、必死でお金をためてきましたが、1ドル87セントしかたまりませんでした。そこでデラは、ジムが美しいとほめてくれる長い髪を売る決心をします。
髪は20ドルで売れました。デラはそのお金を握りしめて、ジムへのプレゼントを探して街中を見て歩きます。そして、ジムの時計にぴったりの鎖を見つけました。ジムの時計は立派でしたが、鎖はなかったのです。鎖は21ドルでした。デラはジムの喜ぶ顔を思って、わくわくしました。
夕方になってジムが帰ってくる時間になると、デラは心配になってきました。「神様、どうかジムがおこりませんように。どうかジムがわたしを嫌いになりませんように・・・。」
そしてジムが帰ってきました。ジムはデラを見ると凍りついたように立ち尽くしてしまいました。
デラは「そんな目で見ないで!あなたへのプレゼントを買うために髪を売ったの。」と訴えます。。するとジムは気が抜けたように「そうか、君の長い髪はもうないんだ・・・。」と言います。そしてポケットから包みを取り出し、デラに渡します。
中にはデラが欲しがっていたべっこうのくしが入っていました。デラは飛び上がって喜びました。そしてデラもジムに鎖を渡そうとします。するとジムはデラを抱きしめて言いました。「時計はもうないんだ。君のくしを買うために、時計を売ってしまったのさ。」
そしてジムは笑って言いました。「デラ、ぼくたちのプレゼントはしばらくしまっておこうよ。今のぼくたちには立派すぎるからね。」
クリスマスにぜひ読みたい オー・ヘンリーの傑作
つましく暮らす若い夫婦のジムとデラ。
引用元:金の星社(アマゾン)
まずしいふたりの自慢は、ジムの金時計と、デラの栗色のながい髪でした。
クリスマスの前日、デラはうつくしい髪を売って、ジムの時計にピッタリのくさりを買います。
いっぽうジムは、たいせつな金時計を売って、デラの髪に似合うべっこうのくしを買うのでした。
どんな贈り物をする人よりも賢者であったふたりを描く、オー・ヘンリーの傑作。
お話の見どころ・読みどころ&おすすめポイント
「賢者の贈り物」は、クリスマスの定番として愛される名作ですが、実は大人になって読み返しても、新たな発見があるステキな物語なんです。
- 自分の大切なものを失っても相手を喜ばせたいという気持ち
- 貧しさゆえの我慢と犠牲の数々
- 物質的な価値を越え、互いの愛情を確かめ合った2人
ジムとデラが受け取ったクリスマスプレゼントは、どんな高価な物よりも価値のあるものだったでしょう。それはお互いへの変わることのない、深い愛情でした。
大切な人がいる幸せ、一緒にいられる幸せ、それを再認識させてくれるお話です。クリスマスの時期、是非一読していただきたいと思います。
読書感想文『賢者のおくりもの』例文
『賢者のおくりもの』対象年齢は幼児くらい~
わたしの大切な人は家族です。お父さんとお母さんと弟がいます。
みんなが一番欲しいものって何だろう。毎日話しているのに、本当に欲しいものってわかりません。好きな物とか嫌いな物はなんとなく分かるけど、欲しいものは頭に浮かんできません。
好きなものとその時欲しいものって、きっと違うと思います。たとえばお母さんは花が好きだけど、もらって本当にうれしいのはケーキかもしれません。お父さんが好きなのは本だけど、きっとお酒を上げたほうが喜ぶと思います。弟は好きなものもコロコロ変わるのでまったく分かりません。
こんなふうに、いつも近くにいるのに家族でも分からないことがたくさんあります。何が好きで、本当に欲しいものは何なのかは、よくその人のことを見ていて、よくその人の話をきいて、その人のことを心から思っていないと、分からないと思います。わたしは家族のことは大切に思っているけど、やっぱり全部は分かりません。
このお話のジムとデラはお互いのことをとてもよく分かっていて、何が欲しいのかもきちんと分かっていました。きっといつも相手のことを思って、何よりも相手を喜ばせようという気持ちが強かったんだと思います。一つ問題だったのは、2人が貧しかったことです。
お互いのプレゼントを手に入れるために、2人は自分の一番大切なものと引きかえにします。そうしないとお金がなくて買えなかったからです。もし将来わたしが結婚した時、だんなさんにそこまでしてあげられるのか、自信がないです。大切に思っているし、喜んでほしいけれど、自分の大切な物を手放したり、夜通し働くとか、そこまでできる気がしません。
でも、ジムとデラは2人ともがお互いのために自分の大切な物を手放しました。それほどにお互いのことを大切に思い、お互いのためならすべてをささげてもいい、というくらいの気持ちだったのだろうと思います。
ここで少し疑問に思いました。それは、そこまでしないと本当に相手を思っていることにならないのかな、ということです。わたしは家族がとても大切です。でも、だからといって、私の大切なものと引きかえに家族を喜ばせるのは少し違う気もします。もしそうしたら、家族は本当に喜んでくれるのでしょうか。家族からしたら、私が大切なものを失うことを悲しむような気がします。
だから、本当はプレゼントなんていらないんだと思います。家族はみんな一緒にいられればそれでいいと思います。ジムとデラもお互いがいてくれればよかったはずです。でも、クリスマスだったから、お互いの欲しいものも分かっていたから、何とかしたいと思ってしまったんだと思います。
そして、2人が貧しかったからこんなことになってしまったのです。もし2人がお金持ちだったらどうだったかなと思います。欲しいものは何でも手に入るから、お互いのことを考えることもなかったかもしれません。
デラの髪はまた伸びます。でも、ジムの時計を取り戻すことは難しいかもしれません。たとえ取り戻せなかったとしても、お互いがとても大切に思っていることが分かったことが、この年の最高のクリスマスプレゼントだったんだと思います。
あなたへ……
引用元:金の星社(アマゾン)
「おくりものをやりとりする 人びとのなかで、
このふたりのような人こそ 最高の賢者なのだ」と、作者オー・ヘンリーは書いています。
わすれられない オー・ヘンリーの傑作です。
いもとようこ
絵本『賢者のおくりもの』が伝えたいこと
- 物質的な価値を越える愛情の深さがある
- 相手を思うこと、理解することの大切さと難しさ
- 貧しさがもたらす犠牲と精神的な豊かさ
- ”賢者”のゆえんである「東方の賢者」とは?
物質的な価値を越える愛情の深さがある
ジムとデラがそれぞれ贈ったプレゼントは、結局は無駄になってしまいました。
時計の鎖もべっこうのくしも、それ自体はとても素晴らしい価値のあるものです。でも、その時のジムとデラにとっては、物としての価値はなかったと言えます。
それでも2人は、お互いがそこまで思いあっていることを確かめることができました。自分の大切なものを手ばなしてまでも、相手を喜ばせてあげようとする気持ち、大切に思う気持ち、深い愛情。それこそが2人にとっての最高のプレゼントだったのですね。
物の価値は、その人が必要としているかどうか、その時々で変わります。そして、欲しいと思ったもののすべてを手に入れることができるとも限りません。でも、人の気持ちや愛情は無限です。相手にどれだけ愛を与えても、なくなってしまうものではないし、その価値も変わらないでしょう。
相手を思うこと、理解することの大切さと難しさ
相手のことをとても大切に思っていても、それが相手のことを分かっていることになるかというと、必ずしもそうならないかもしれません。”思う”ことと”理解する”ことは別物。一緒に暮らす家族であっても、考えていること、好きなもの、欲しいもの、すべてが分かるわけではありませんね。
でも、ジムとデラはお互いを大切に思いあい、その時欲しいものもきちんと分かっていました。貧しさゆえ、日々あまり多くのものを望むことはないであろうことから、お互いの本当に欲しいものが分かりやすかった面もあるかもしれません。
とは言っても、相手の考えていることを理解するのは難しいことです。欲しいものに限らず、今どういう気持ちなのか、それを知ろうとすることが大切で、難しいことなのです。
貧しさがもたらす犠牲と精神的な豊かさ
もしも2人が貧しくなかったなら、お互いのために何か贈ろうとさえ思わなかったかもしれません。欲しいものがいつでも手に入るなら、あえて贈ることはないからです。
でも、貧しい日々を過ごす2人は、きっといろんなものを我慢していたでしょう。自分の気持ちを抑え、犠牲にしてきたのです。
そしてその犠牲は、相手に贈り物をするときにも強いられるものでした。お互い一番大切なものを手放してしまう、という物質的な犠牲です。これは精神的にも大きな犠牲を払います。
しかし一方で2人は、貧しかったからこそ、プレイスレスな深い愛情を確認することができ、精神的な豊かさを得ることができました。その愛情は価値の変わらない、誰にも奪われることのないものであったはずです。
”賢者”のゆえんである「東方の賢者」とは?
東方の三賢者とは、イエス・キリスト生誕時に、お祝いのおくりものをささげた3人の賢者のことです。名前はメルキオール、バルタザール、カスパール。それぞれが贈ったものは、黄金、乳香、没薬です。
黄金は王権、乳香は神性、没薬は受難の死をそれぞれ意味しています。
クリスマスプレゼントの起源にもなったようです。
この2人が東方の三賢者を越えるくらいの贈り物をした、2人こそが賢者である、ということのようです。
読書感想文『賢者のおくりもの』あらすじと伝えたいこと まとめ
今回は400字詰め原稿用紙3枚分です(1200字)
お互いを思うジムとデラの気持ちはとても尊いですね。
プレゼントは無駄になってしまいましたが、相手を思う愛情の深さを知ることができたことは、最高のクリスマスプレゼントであり、宝物となったことでしょう。
ただ、わたしは少々ひねくれているのか、貧しいのに無理してプレゼントを買うことはないのに、とか、代々受け継がれているような時計を売ってしまってもよかったのか、なんて思ったりもしてしまいます。
ジムとデラは、時計を売ってほしいとは思っていなかったし、髪を売ってほしいとも思っていなかったはずです。それに、髪はまた生えてきますが、時計はおそらく戻ってきません。
なんてことを考えるのは、精神的な豊かさが足りないからかもしれませんね。ジムとデラがこの先もずっと仲良く幸せに暮らしていけることを願ってやみません。
出典 文部科学省 これからの時代に求められる国語力について
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